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2010 年度 実績報告書

軸性キラリティーの解明と医薬品化学への展開

研究課題

研究課題/領域番号 21590124
研究機関帝京大学

研究代表者

夏苅 英昭  帝京大学, 薬学部, 教授 (00334334)

キーワード軸不斉 / キラリティー / バソプレッシン受容体拮抗薬 / ACAT阻害薬 / インドメタシン / ジベンゾジアゼピノン / ベンゾラクタム
研究概要

本研究課題は、コンホメーションの変化によって生じるキラリティーである軸性キラリティーに着目し、薬物の作用発現時に生じる真に活性な構造を洞察し解明することにより、新たな生物活性物質、医薬品シードの創製をめざすものである。本年度は以下の課題(1)~(4)について主に検討した。
(1) γ-セクレターゼ阻害薬の立体化学研究及び合成研究
LY-411575の基本母核であるジベンゾアゼピノンに類似する、7, 8, 9-員環ジベンゾラクタム骨格について、それらの立体化学および物理化学的性質を明らかにした(J.Org.Chem.75, 5984-5993(2010))。
(2) バソプレッシンV_1, V_2受容体拮抗薬の立体化学の解明
バソプレッシン受容体拮抗薬として市販されているmozavaptanやlixivaptanなどが共通してもつN-アシルベンズ(ジ)アゼピン骨格の軸性キラリティーを明らかにし、活性発現に寄与する真の立体化学を初めて明らかにした(Angewandte Chemie Int.Ed.50, 3075-3079(2011))。
(3) インドメタシン類の立体化学の解明
インドメタシンの活性発現に寄与する一つのコンホメーションを明らかにした(Org.Lett.13, 760-763(2011))。
(4) ACAT阻害薬の合成と立体化学の解明
ベンゾラクタム系化合物について明らかにしてきた軸不斉構造を活用して、強いACAT阻害作用を示す化合物を見出した。活性発現には軸不斉構造が重要な役割を果たしていることおよびジベンズジアゼピン骨格の興味ある立体化学を明らかにした(投稿準備中)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Atropisomerism Observed in Indometacin Derivatives2011

    • 著者名/発表者名
      H.Takahashi, H.Natsugari, et al.
    • 雑誌名

      Organic Letters

      巻: 13 ページ: 760-763

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Atropisomerism in the Vaptan Class of Vasopressin Receptor Ligands : the Active Conformation Recognized by the Receptor2011

    • 著者名/発表者名
      H.Tabata, H.Natsugari, et al.
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie Int.Ed.

      巻: 50 ページ: 3075-3079

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Atropisomeric properties of 7-, 8- and 9-membered-ring dibenzolactams : conformation, thermal stability, and chemical reactivity2010

    • 著者名/発表者名
      H.Tabata, H.Natsugari, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Organic Chemistry

      巻: 75 ページ: 5984-5993

    • 査読あり
  • [学会発表] 医薬品に秘められたキラリティー-アミド軸不斉の化学-2010

    • 著者名/発表者名
      夏苅英昭
    • 学会等名
      近畿大学ハイテク・リサーチ・センター整備事業-第9回シンポジウム-
    • 発表場所
      近畿大学(大阪)
    • 年月日
      2010-09-11

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公開日: 2012-07-19  

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