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2010 年度 実績報告書

リボザイムの機能解明と乳癌抑制作用を持つイミダゾールC-ヌクレオシドの合成

研究課題

研究課題/領域番号 21590130
研究機関大阪薬科大学

研究代表者

春沢 信哉  大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (90167601)

キーワードリボザイム / イミダゾール / RNA / ホスホロアミダイド / 乳癌 / エストラジオール / ハイブリッド / 17β-HSD
研究概要

リボザイムの反応機構は、ほとんど解明されていない現状にある。我々は、最初にC4-置換イミダゾール(Imz)C2'-O-TMS-リボヌクレオシドホロアミダイド(C_0-PA,1)を創製し、リボザイムの中心塩基にImzを挿入することで、「リボザイムの反応機構を解明する新しいchemogenetic method」を開発した。しかし、ここで用いた1は、不安定であり、またVSリボザイムの活性中心のひとつG638では弱い活性しか示さなかった。そこで、新たにリボースとImz間に2炭素増炭したC_2-PA(2)をデザインし、その合成に成功した。この研究の中で、Imz-NにPOM基、2’-OHにシアノエチル(CE)基を用いる新しい保護基の組み合わせを用いることで安定な2が生成することを見出した。C_0-PA(1)は、多くの応用性を持つため、POM-CEの組み合わせを、適応したところ10工程、総収率41%で、効率的にImz-N-POM-2’-O-CE-PA(3)を合成することにに成功した。
一方、OUP-165は、エストラジオール(E_2)とC_2-Imzが炭素スペーサーで結合したハイブリッド化合物であるため、基盤構造のC_0-Imzを持つハイブリッド化合物(4)の合成研究を新たに行った。共同研究者の高岡正徳教授(大薬大)は、E_2の生合成酵素、ヒト17β-HSDに対してOUP-165(IC_<50>:3.5μM)と4(IC_<50>:>10μM)の阻害活性を調べたところ、ImzとリボースにC_2スペーサーを持つOUP-165の方がより強い阻害活性を示すことを明らかとした。このように、炭素鎖の違いが明確にヒト17β-HSDに対する阻害活性に反映されることから、構造活性相関の研究を進める基盤を作ることができた。次年度は、スペーサーの違いに基づくOUP-165の構造活性相関を進める。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] イミダゾールC-ヌクレオシドホスホロアミダイトのマススペクトル測定の実際2011

    • 著者名/発表者名
      藤嶽美穂代
    • 雑誌名

      大阪薬科大学紀要

      巻: 5 ページ: 49-57

    • DOI

      http://www.oups.ac.jp/gakujutsu/kiyo/vol5/05_fujitake-harusawa_kiyo5_5w.pdf

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficient Synthesis of 2'-O-Cyanoethylated Imidazole C-Ribo-nucleoside Phosphoramidite : A Practical Building Block for Probing the Catalytic Mechnism of Ribozymes2010

    • 著者名/発表者名
      Lisa Araki
    • 雑誌名

      Heterocycles

      巻: 81 ページ: 1861-1869

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis of Two Estradiol-imidazole C-Ribonucleoside Hybrid Compounds Exhibiting Inhibitory Effects Against Type 1 17β-Hydroxysteroid Dehydrogenase2010

    • 著者名/発表者名
      S.Harusawa
    • 雑誌名

      Heterocycles

      巻: 81 ページ: 2817-2830

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生体機能性分子を目的としたイミダゾールC-ヌクレオシドの合成研究2010

    • 著者名/発表者名
      箕浦理佐
    • 雑誌名

      薬学雑誌

      巻: 130 ページ: 1707-1724

    • 査読あり
  • [学会発表] 4-ヨード-1-H-ピラゾール類とアルケンのHeck-Mizoroki反応に関する検討2011

    • 著者名/発表者名
      宇佐美吉英
    • 学会等名
      日本薬学会131年会
    • 発表場所
      ツインメッセ静岡
    • 年月日
      20110329-20110331
  • [学会発表] 乳癌増殖抑制を目的としたエストラジオール-イミダゾールC-ヌクレオシド組み合わせ化合物の合成研究2010

    • 著者名/発表者名
      春沢信哉
    • 学会等名
      第60回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2010-10-30
  • [学会発表] 海洋由来のcyclopentenone型tyrosinase阻害薬の合成研究2010

    • 著者名/発表者名
      宇佐美吉英
    • 学会等名
      第60回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2010-10-30

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公開日: 2012-07-19  

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