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2009 年度 実績報告書

細胞内亜鉛応答システムの分子基盤と重金属イメージングセンサーとしての応用

研究課題

研究課題/領域番号 21590136
研究機関帝京大学

研究代表者

大塚 文徳  帝京大学, 薬学部, 教授 (80160547)

研究分担者 小泉 信滋  (独)安衛研, 健康障害予防研究グループ, 部長 (80183325)
キーワード環境 / 衛生 / 亜鉛センサー / 亜鉛 / 転写因子
研究概要

本研究は重金属依存性転写因子MTF-1を細胞内亜鉛のイメージングセンサーとして利用することを目的としており、そのためにはMTF-1の亜鉛応答機構を明らかにすることが重要である。本年度は、主としてMTF-1の亜鉛フィンガードメインに関して多角的な解析を行った。その結果、本転写因子の亜鉛フィンガードメインは単純なDNA結合モジュールではなく、亜鉛依存的なタンパク構造変化を介して核局在性や転写活性化などにも関与する多機能性フィンガーであることが分かってきた。具体的には、
1.MTF-1は、非変性ゲル電気泳動において亜鉛依存的な移動度変化を起こすが、これは本因子の亜鉛依存的なタンパク構造変化を反映している可能性が高い。そこで、MTF-1の各種Cys変異体の大腸菌リコンビナントタンパクを作成して検討したところ、6個の亜鉛フィンガーのうち、第3および第4フィンガーへの亜鉛結合がこの変化に重要であることが明らかとなった。
2.MTF-1の各種欠失変異体や種々のCys点変異体の細胞内分布を詳細に解析した結果、第3フィンガーへの亜鉛結合は核局在にも必須であることが明確となった。
これら1、2の結果より、第3フィンガーへの亜鉛結合が本因子の亜鉛応答性にとって重要であることが示唆される。
3.一方、第5フィンガーへの亜鉛結合はMTF-1の転写活性に重要であることが分かっていたが、今回第5フィンガーと他のフィンガーとのスワッピングを行うことにより、そのアミノ酸配列よりもフィンガードメインにおける位置が重要であることが分かった。
亜鉛フィンガー以外で亜鉛依存性転写活性化に重要な部分として、酸性アミノ酸領域にあるCys残基、およびC末端領域のシステインクラスターがあり、その部分とコアクチベーターとの相互作用やSUMO化等の翻訳後修飾の有無、およびそれらの亜鉛応答との関連性に関して現在検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 転写因子MTF-1の多様な亜鉛応答とそれに関連するタンパク領域2009

    • 著者名/発表者名
      長田洋一, 下山多映, 鈴木薫, 小泉信滋, 大塚文徳
    • 学会等名
      フォーラム2009 衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター
    • 年月日
      2009-11-05
  • [学会発表] シフトウエスタン法を用いた転写因子MTF-1の重金属応答解析2009

    • 著者名/発表者名
      長田洋一, 下山多映, 鈴木薫, 小泉信滋, 大塚文徳
    • 学会等名
      メタロチオネインおよびメタルバイオサイエンス研究会2009
    • 発表場所
      東京大学山上会館
    • 年月日
      2009-10-17
  • [学会発表] 重金属依存性転写因子・MTF-1の核局在における亜鉛フィンガーの役割2009

    • 著者名/発表者名
      下山多映、長田洋一、鈴木薫、小泉信滋、大塚文徳
    • 学会等名
      メタロチオネインおよびメタルバイオサイエンス研究会2009
    • 発表場所
      東京大学山上会館
    • 年月日
      2009-10-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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