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2011 年度 実績報告書

細胞内亜鉛応答システムの分子基盤解明と重金属イメージングセンサーとしての応用

研究課題

研究課題/領域番号 21590136
研究機関帝京大学

研究代表者

大塚 文徳  帝京大学, 薬学部, 教授 (80160547)

研究分担者 小泉 信滋  (独)安衛研, 研究企画調整部, 特任研究員 (80183325)
キーワード環境 / 衛生 / 亜鉛センサー / 亜鉛 / 転写因子
研究概要

本研究は、重金属応答性転写因子であるMTF-1に着目し、その重金属応答メカニズムを解明することにより、環境中の重金属イメージングセンサーとして利用することを目的としている。前年度までの解析により、MTF-1の亜鉛フィンガードメインが、DNA結合のみならず、核局在性や転写活性化など、多機能性をもつという結果を得ている。一方、非変性ゲル電気泳動を用いてMTF-1が亜鉛依存的に自己重合する可能性を見出しており、それが重金属応答性において本質的なものであることが考えられた。そこで本年度は、主としてこの現象と亜鉛センサー機能との関係、および亜鉛フィンガーの関わりについて解析を行った。
(1)異なるタグを持つ二種類のMTF-1を培養細胞内に発現させ、免疫沈降法で解析したところ、異なるタグを持つMTF-1の亜鉛処理依存的な共沈が認められた。この結果は、MTF-1が亜鉛依存的に自己重合することを示唆している。
(2)さまざまな欠失変異体のリコンビナントタンパクを作成し、それらをin vitroにおいて亜鉛処理して解析したところ、自己重合には亜鉛フィンガードメインが絶対的に必要であった。さらに、6個の亜鉛フィンガーそれぞれの点変異体を同様の解析に供したところ、第3および第4フィンガーの破壊により自己重合が阻害された。このことは、自己重合が、非特異的なタンパク凝集ではなく、特定のタンパク領域を介する会合であることを示唆する。
(3)亜鉛依存的な自己重合をFRET解析で検出するべく、2分子FRET法を行った。二種の蛍光タンパクを融合したMTF-1をHeLa細胞に発現させてさまざまな条件を検討したが、亜鉛依存的なFRETを検出することができなかった。したがって、この現象を利用して亜鉛センサーとして活用するには、さらなる工夫が必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 重金属依存性転写因子MTF-1の亜鉛による自己重合と亜鉛フィンガー部の寄与の検証2011

    • 著者名/発表者名
      下山多映, 長田洋一, 鈴木薫, 小泉信滋, 大塚文徳
    • 学会等名
      メタロチオネインおよびメタルバイオサイエンス研究会2011
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011-12-09
  • [学会発表] 重金属依存性転写因子MTF-1の亜鉛による自己重合と亜鉛フィンガー部の寄与の検証2011

    • 著者名/発表者名
      長田洋一, 下山多映, 小泉信滋, 大塚文徳
    • 学会等名
      フォーラム2011:衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2011-10-31

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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