研究課題/領域番号 |
21590150
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山本 康次郎 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70174787)
|
研究分担者 |
中村 智徳 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30251151)
中村 克徳 信州大学, 医学部附属病院, 准教授 (20361363)
|
キーワード | ワルファリン / アザチオプリン / 遺伝子多型 / ビタミンK / ビタミンKエポキシド還元酵素 / キサンチンオキシダーゼ |
研究概要 |
薬物の効果が減弱する機構のうち、薬物の吸収阻害や薬物代謝酵素の誘導については比較的解明されているが、薬剤抵抗性の遺伝的因子については未だ明らかにされていない。我々はワルファリン抵抗性因子としてビタミンK還元酵素遺伝子VKOR、ビタミンK代謝酵素であるCYP4F2が薬剤感受性に及ぼす影響を検討し、さらに日本人とインドネシア人におけるデータを蓄積し、アジアと欧米との差異を明らかにして学会で報告した。また、VKOR遺伝子型によりワルファリン治療が安定するまでの期間に差があり、当該遺伝子解析が臨床的にも重要であることを明らかにし、論文で報告した。現在は食物から摂取するビタミンKの含量と、その生体内代謝活性がワルファリンの作用に及ぼす影響の検討を進めており、薬剤感受性に及ぼす環境因子の評価を行う予定である。 また、我々は全身紅斑性エリテマトーデス患者におけるアザチオプリンの治療効果に及ぼすチオプリンメチル基転移酵素(TPMT)およびイノシン三リン酸化酵素(ITPA)遺伝子型の、臨床における治療効果への影響を検討した。我が国では伝統的に低用量でアザチオプリンによる治療が行われるため、ITPA遺伝子変異を有する患者では十分に効果が得られるが、通常型の場合はやや効果が劣ることが明らかとなり、論文で報告した。さらにアザチオプリンの薬効発現に関与する可能性がある遺伝子として肝臓での代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼおよび細胞内からの排出トランスポータであるMDR1の影響を評価し、その結果を学会で報告した。今後、細胞内への取り込みに関与する核酸トランスポータの影響を検討する。
|