研究課題/領域番号 |
21590157
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高木 達也 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80144517)
|
研究分担者 |
上島 悦子 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80432441)
川下 理日人 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (00423111)
岡本 晃典 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (70437309)
|
キーワード | データマイニング / Stevens-Johnson症候群 / 定量的構造活性相関モデル / AERS / ケモメトリックス |
研究概要 |
前年度の米国FDAの公開有害事象データベース(AERS)への相関ルール適用により検出された、単剤での検出が困難なStevens-Johnson Syndrome(SJS)、Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)のシグナルが検出可能となった結果を受けて、平成22年度はロジスティック回帰などの多変量回帰分析手法を用い、予後の重篤性と薬剤との関連性についての解析を行った。 薬剤の有害事象として発症する重篤な皮膚症状が、SJS、TENと同一スペクトラムと考えられているがより軽度の病態を示すErythema Multiforme(EM)で止まるのか(EM傾向)、SJS、TENに移行する可能性が高い(SJS、TEN傾向)のかは、重大な問題である。そこで、AERSの情報を用い、ある薬剤がSJS、TEN傾向であるか、EM傾向であるかを、ロジスティック回帰などの多変量回帰分析手法により解析した。その結果、薬剤数に基づいた重みを利用したロジスティック回帰を用いることで、EM傾向とSJS、TEN傾向を一定以上の予測性能で区別可能な予測モデルを構築した。本予測モデルは各薬剤の物理化学的な性質や構造上の情報から、有害事象の傾向を予測する。従って、それら予測モデルに必要な情報からより具体的な部分化学構造を今後の検討により見い出すことができれば、医薬品開発過程で、コスモシンなど、よりSJS、TENを引き起こす可能性が強い薬剤の開発を防ぐことができ、患者にとってはもちろん、製薬企業にとっても、重要な意味を持つことが期待される。
|