研究課題/領域番号 |
21590158
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
木村 聰城郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10025710)
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研究分担者 |
檜垣 和孝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60284080)
大河原 賢一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30291470)
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キーワード | 難溶解性薬物 / griseofulvin / 自己乳化型マイクロエマルション / 油脂成分 / 界面活性剤 / 補助界面活性剤 / SMEDDS製剤 / 経口投与 |
研究概要 |
本年度は、難溶解性薬物griseofulvinの経口吸収挙動を改善する目的で、griseofulvinの自己乳化型マイクロエマルション製剤(Self-microemulsifying Drug Delivery System ; SMEDDS)化を検討した。種々の油脂成分、補助界面活性剤について、grlseofulvinの溶解度を測定したところ、油脂成分の中ではlauroglycol90とcapryol90が、補助界面活性剤ではcarbitolが高い溶解度を示したことから、これらを選択し、SMEDDSの調製を試みた。尚、界面活性剤にはcremophor ELを用いた。Titration法により、pseudo-ternary phase diagramを作成したところ、capryol90:cremphor EL:carbitol=1:2:2(A製剤)、6:7:7(B製剤)、4:3:3(C製剤)(w/w/w)とすることで、比較的広いマイクロエマルション形成領域を持つことが明らかとなった。このA、B、C製剤について、経口投与時の条件下(griseofulvinのSMEDDS製剤20mg/2.5g/kg+水6.4mL/kg)で、調製したマイクロエマルションの平均粒子径は、それぞれ89nm、153nm、207nmであった。C製剤は、やや透明度が低かったのに対し、A及びB製剤は澄明な、十分に小さな粒子径のマイクロエマルションを与える優れたSMEDDS製剤であると考えられた。次に、これらSMEDDS製剤をラットに経口投与した後のgriseofulvinの吸収挙動を検討したところ、いずれの製剤も粉末投与の場合に比べ、顕著に高い血漿中濃度推移が得られることが明らかとなった。中でもB製剤は、最も高いバイオアヴェイラビリティを示し、かつ個体間変動も小さく、最も優れた製剤であると考えられた。
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