1-コンパートメントモデルに対するベイジアン法における最小2乗法の研究を行った。従来、非線形最小2乗法に対する数値計算では、安定した収束性を得るためにLevenberg-Marquardt法をはじめとするGauss-Newton法系の方法が用いられてきた。本研究では、あるパラメータを導入したNewton法によるアルゴリズムを考案した。パラメータは0のときに、最小2乗解が母平均値となるように、1のときに本来のベイジアン法と一致するように設定する。パラメータを0から1まで段階的に変化させ、Newton法における初期値を、最初は母平均値、2回目からは前回の計算値とし、パラメータの変化の度合いを調整すれば、初期値が十分解の近くになり、Newton法の収束性に十分耐えうる数値計算が実現できた。作成したプログラムを用いて、バルプロ酸を適用した場合に様々な実測データを入れて計算を実行したが、収束性、計算精度共に良好な結果が得られた。
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