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2010 年度 実績報告書

HDAC阻害剤による「がんの個別化治療」確立のための基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 21590166
研究機関長崎大学

研究代表者

尾崎 恵一  長崎大学, 大学院・医歯薬学研究科, 准教授 (50252466)

キーワードHDAC阻害 / がん / ERK / 活性酸素 / MEK阻害剤 / Bim / Thioredoxin
研究概要

平成22年度は、次の二点を明らかにした。
1)Gefitinb耐性肺腺がん細胞H1650のヌードマウスxenograft modelに対して、HDAC阻害とMEK阻害剤との併用は、顕著な制がん作用を発現し、in vivoレベルにおいても本併用療法が有効であることが確認された。また、その制がん作用を媒介する活性酸素(ROS)による殺細胞効果は、移植癌細胞特異的にDNA酸化損傷マーカー8-OHdG(8-hydroxy-2'-deoxyguanosine)が検出されたことにより、in vivoレベルにおいても同様であることが示唆された。
2)HDAC阻害とMEK阻害剤との併用による癌細胞死誘導増強効果のメカニズム解明に関しては、proapoptotic BH-3 only proteinであるBimと抗酸化タンパク質Thioredoxin(TRX)阻害タンパク質TBP-2の関与を明らかにした。すなわち、HDAC阻害によってBimの転写が促進され、さらにBimタンパク質を不安定化するERKによるリン酸化がERK経路遮断によって抑制されることによりBimの発現が顕著に上昇し、作用が増強される。その結果生じる、ミトコンドリア膜電位の低下、ROSの漏出が、本併用メカニズムの一部を説明すると考えられた。一方、TBP-2の転写がHDAC阻害とMEK阻害剤の両薬剤によって誘導され、併用によるさらなる増強で、抗酸化レベルが低下すると考えられた。また、その遺伝子発現にかかわる転写因子としてFOXOファミリーに現在注目して研究を進めているところである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] HDAC阻害剤とMEK阻害剤の併用による細胞死誘導増強-FOXO転写因子ファミリーの役割-2010

    • 著者名/発表者名
      藤尾康祐, 梶川修平, 坂元利彰, 尾崎恵一, 河野通明
    • 学会等名
      第27回日本薬学会九州支部大会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      2010-12-11
  • [学会発表] Blockade of the ERK pathway enhances the therapeutic efficacy of HDAC inhibitors in human tumor xenograft models.2010

    • 著者名/発表者名
      坂元利彰, 藤尾康祐, 梶川修平, 上里新一, 尾崎恵一, 河野通明
    • 学会等名
      第68回日本癌学会総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-09-22

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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