研究課題/領域番号 |
21590171
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
内田 信也 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (80372522)
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研究分担者 |
乾 直輝 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80402254)
今井 浩光 大分大学, 医学部, 助教 (30398250)
竹内 和彦 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00419425)
山田 浩 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40265252)
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キーワード | 薬物相互作用 / グレープフルーツジュース / カルシウム拮抗薬 / 臨床効果 / 血漿中濃度 |
研究概要 |
【目的】近年、健康食品と医薬品を併用した場合の相互作用が問題となっている。グレープフルーツジュース(GFJ)は消化管におけるチトクロームP450(CYP)3A4を阻害し、カルシウム(Ca)拮抗薬の体内動態を変動させることが報告されている。しかし臨床現場における薬物治療では患者間の変動も大きいため、相互作用による薬物動態の変動が、実際に臨床症状にどれほどの影響を及すかについては明らかではない。本研究では、Ca拮抗薬服用中の高血圧患者を対象にGFJ併用による家庭血圧の変動について検討した。 【方法】アムロジピン製剤またはニフェジピン製剤を服用中で血圧コントロール良好の高血圧患者を対象としたクロスオーバー試験を行った。対象患者の治療薬物の変更を行わず、朝食後の服用時にミネラルウォーター(MW)あるいはGFJを2週間の同時摂取した。試験期間中、起床時と就寝前の家庭血圧を記録した。また各期間の終了時における血漿中薬物濃度及び臨床検査値を測定した。なおwashout期間は2週間とした。試験は静岡県立総合病院倫理委員会の承認を得て行った。 【結果・考察】対象患者は女性5名(年齢53[42-59]歳、中央値[範囲]、アムロジピン3例、ニフェジピン徐放錠2例)であった。試験期間中、臨床検査値に変動は認められなかった。MW期では起床時の最高および最低血圧はそれぞれ126[115-152]及び80[72-87]であったのに対し、GFJ期ではそれぞれ126[119-143]及び82[72-87]と明らかな差異は認められなかった。同様に就寝前の血圧値においてもGFJ投与による有意な変動は認めなかった。現在、血漿中薬物濃度を測定している。以上の結果、GFJによる相互作用において家庭血圧の変動は小さいものと考えられた。
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