• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

薬物動態関連酵素誘導研究の新展開:新規酵素誘導の分子機構解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590173
研究機関東北薬科大学

研究代表者

永田 清  東北薬科大学, 薬学部, 教授 (80189133)

キーワード酵素誘導 / 転写因子 / CYP3A4 / MRP3 / レポーター / シス-エレメント / 核内レセプター / エンハンサー
研究概要

化学物質の曝露による薬物動態関連酵素の誘導をより正確に予測するためには、転写因子の結合する遺伝子配列をまず明らかにする必要がある。申請者は本件研究においてCYP3A4誘導には必須のDNA領域(mieCYP3A4)が重要であるが,リファンピシンとクロトリマゾールでは異なった誘導様式を示すことを見い出し、新たなシスエレメント配列を明らかとした。本年度は、ヒトMRP3についても本誘導に関わる新規シス-エレメントの塩基配列を明らかにすることを試みた。その結果、転写開始点より上流7Kbの領域にMRP3遺伝子の転写活性化に関わる複数の塩基配列を見いだした。また、今回新たにCYP1A1/2を誘導する内因性化学物質として報告されているインディルビンが、CYP3A4およびMRP3を強く誘導することを明らかとした。しかしながら、肝臓に高く発現している既存のレセプターに的を絞り、それら代表的な誘導剤処置あるいはsiRNAを用いmRNAの発現を検討したところ、CYP3A4とMRP3誘導機構は異なり、CYP3A4の誘導には他の誘導剤と同様に核内レセプターの一つである、PXRが関与することが判明した。しかし、MRP3の誘導にはCYP3A4のクロトリマゾール型誘導に類似していたが、核内レセプターは関与しないことが明らかとなった。さらに、MRP3誘導に関わる遺伝子領域とレポーター遺伝子を染色体内に組み込むことにより、恒常的にMRP3誘導を調べることが可能な安定MRP3誘導表か細胞の樹立にも成功した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Construction of a system that simultaneously evaluates CYP1A1 and CYP1A2 induction in a stable human-derived cell line using a dual reporter plasmid.2010

    • 著者名/発表者名
      Wataru.Sato
    • 雑誌名

      Drug Metab Pharmacokinet.

      巻: 25 ページ: 180-189

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Malondialdehyde-modified low density lipoprotein (MDA-LDL)-induced cell growth was suppressed by polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs).2010

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Suzuki
    • 雑誌名

      J Toxicol Sci.

      巻: 35 ページ: 137-147

    • 査読あり
  • [学会発表] CYP3A4転写活性に影響を与えるFBS中誠分の同定2010

    • 著者名/発表者名
      福士素子、熊谷健、佐々木崇光、永田清
    • 学会等名
      第49回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      福島
    • 年月日
      2010-10-09
  • [学会発表] MRP3における新規転写誘導機構の解明2010

    • 著者名/発表者名
      沼田善弘、佐々木崇光、佐藤渉、松井怜美、鳥谷部貴洋, 山添康、永田清
    • 学会等名
      第49回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      福島
    • 年月日
      2010-10-09
  • [学会発表] Protein-protein Association of cytochrome P450 and UDP-Glucuonocyl transferase : Its Relevance to Enzyme Function.築2010

    • 著者名/発表者名
      Ishii Y
    • 学会等名
      25^<th> JSSX Annual Meeting
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2010-10-08
  • [学会発表] Comparison of Catalytic Properties between UDP-Glucuonocyltransferase 1A7*3, an Allelic Variant, and Its Wild-type 1A7*12010

    • 著者名/発表者名
      Kobe H
    • 学会等名
      25^<th> JSSX Annual Meeting
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2010-10-08
  • [図書] 医薬品安全性学(医薬品の毒性に影響する要因)(第2版)2010

    • 著者名/発表者名
      永田清
    • 総ページ数
      19
    • 出版者
      広川書店
  • [図書] 予防医学としての衛生化学-健康と環境-(薬物代謝酵素の個人変動の要因)2010

    • 著者名/発表者名
      永田清
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      広川書店
  • [図書] 酵素誘導、薬物代謝学 第3版2010

    • 著者名/発表者名
      永田清
    • 総ページ数
      13
    • 出版者
      東京化学同人

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi