研究課題
今回、実験協力者より提供された、ヒト肝キメラマウスにサリドマイドを投与して、時間経過に伴った代謝に関して血液サンプルを用いた検討を行った。その結果、投与終了後7時間の時点で、代謝物5-OHおよび5'-OH体が検出され、24時間の時点では代謝物ならびにサリドマイドの検出されなかったことから、サリドマイドの代謝消失は比較的早いことが明らかとなった。また、代謝物に関してはGSHと反応し、複合体の生成が認められたことから、生体内でサリドマイドの毒性などの影響に関して防御する機構がヒトにも存在することが確認された。代謝物に関しての比較検討を対照群と比較すると、マウス肝とヒト肝では生じる代謝物の比率に違いが認められたことから、サリドマイド代謝の種差に関して検討する必要性が示唆された。In vitroで得られるデーターをもとに、化学物質の毒性や医薬品の影響について薬物動態的な予測を行うための生理学的PBPKモデルを構築し、ヒトでのサリドマイド投与時の血中濃度推移ならびに一定以上の血中濃度レベル維持を想定した時の投与量を逆向きに算出し、臨床での投与量との関連性について検討を行なっている。また、ヒト培養肝細胞およびHepaRG細胞を用いて第二相酵素の関与について検討を行う為に、これら培養細胞の特徴と薬物代謝酵素活性レベルについて検討する系の確立を考え、基本となる条件検討を行った。
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