研究概要 |
δ(デルタ)プロトカドヘリンファミリーの中枢神経系形成と器官形成における機能的多様性の意義を系統的・網羅的に解明することが、本研究の目的である。差次接着(differential adhesion)、すなわち、複数種の細胞が混ざっても細胞間接着性の差異によって同種の細胞が集合していく現象は、組織形成の原理の一つである。その分子的裏付けが細胞接着分子であり、カドヘリンスーパーファミリーがとりわけ重要視されている。その一つのプロトカドヘリン(Pcdh)は、無脊椎動物から脊椎動物まで多種存在するファミリーを成している。本研究計画において研究代表者らは、Pcdhファミリーのうちδ-Pcdhサブファミリーについて研究し、δ-Pcdhの多くが胚の頭部や中枢神経系に発現しそれらの発生に関与することを示した。特に、プロトカドヘリン-9,17,19について、詳細な発現パターンを解析した。プロトカドヘリン-10aについては、眼のレンズに特異的に発現することを示した。また、ホメオドメイン遺伝子Otx1が細胞接着を誘導することに関し、そのドメイン毎の機能解析をした。
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