研究概要 |
精子成熟に重要な精巣上体では生後に上皮の分化が起こり、頭・体・尾の部位ごとに特有の機能を獲得する。その分子機構を明らかにするために、マウス精巣上体での遺伝子発現をRT-PCR法により解析した。 15種類の遺伝子について発現を臓器間で比較したところ、6種類(Gm6792, Rnase9, Spaglla, Serpinalf-v2, D730048I06Rik, 9230103M23Rik)は精巣上体のみで発現することが明らかになった。他の6種類(Serpinalf-v1, 9230104L09Rik, Wfdc6a, 9230102M18Rik, Sce1, Lcn12)は泌尿器系臓器で強く、9230005D20Rikは精巣上体と泌尿器系以外の臓器で、Defb42および9230110F15Rikはすべての臓器で発現していた。 次に、昨年解析したものを含む16種類の遺伝子について、頭・体・尾の間で発現を比較したところ、頭~体で優位なものはMbn13、Rnase9、Lcn12、9230001H03Rik、9230103M23、Gm6792であった。体~尾で優位なものはSce1、9230005D20、体のみで優位なものはBAC clone RP23-387J8、頭と尾で優位なものはD730048I06Rikであった。一方、部位別の局在が不明瞭なものは9230102M18Rik、Serpinalf-v1、Serpinalf-v2、Spglla、Wfdc6a、Pyroxd2であった。局在が明らかなもののうち、Lcn12、9230001H03Rik、Gm6792については他の部位では長さの異なるバンドが見られたことから、別のアイソフォームが発現している可能性が考えられた。
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