運動性繊毛(鞭毛)は脳室、気管上皮、精子などに存在し、その機能喪失は、水頭症、慢性気管支炎、男性不妊、内臓逆位などを引き起こす。これらの表現型は脊椎動物間で共通であり、モデル生物を使った研究が有用である。そこで運動性繊毛に異常を持つメダカ変異体jaodoriを用い、その原因遺伝子dynein axonemal intermediate 2(dnai2)の異常が繊毛運動に必須のモータータンパク質複合体であるダイニン腕の欠損を引き起こし、その結果左右軸決定に必須なクッペル胞内での水流の喪失、更には内蔵逆位を引き起こしていることを明らかにした。
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