研究課題
本年度は疾患モデルへ羊膜幹細胞を移植し、その効果の検討をした。1)糖尿病モデルマウスへの移植(インスリン分泌細胞への分化):ニコチンアミドで分化誘導した羊膜幹細胞を糖尿病モデルマウスの脾臓に移植し、その効果を啓示的な血糖値の測定及び採取材料の免疫組織化学的な結果により検討した。4週齢のマウスの腹腔にstreptozotocine (STZ ; Sigma, 250mg/Kg body weight)を投与し、血糖値が3日間以上継続的に400mg/dl以上を示すものを糖尿病モデルマウスとして実験に使用した。脾臓に分化誘導羊膜細胞を移植後、3日目、4週間目に採取し脾臓および肝臓を、凍結、光学顕微鏡の材料として処理した。投与直後に、一時的に血糖値は低下するものの、継続した血糖値の低下は認められなかった。2)骨欠損モデル動物への移植(骨細胞への分化):自家性の骨分化培地にて骨細胞への分化を平面及びスカフォールド上で実施した。スカフォールド上に細胞を播種し、分化培地にて培養したものを走査型電子顕微鏡で観察したところ、培養開始2から3週間にかけて細胞表面に線維の進展および多数の顆粒が存在するのが観察された。EDXにてミネラル成分の沈着を測定したところ、果粒の中に高濃度にCaを貯留しているのを確認した。次に、スカフォールドに細胞を播種し分化誘導かけたものをドリルで骨欠損部を作製したラットの頭蓋に移植し骨形成能を検討した。移植後8週間目に観察したところ、基質の分泌は見られるものの骨化は細胞播種群と非播種群において違いが認められなかった。3)軟骨への分化:ウサギで骨、軟骨全層欠損モデルを作製し、軟骨の再生を検討した。材料を経時的に採取し、軟骨の形成能を組織学的、免疫組織学(collagen type II,アグリカンの産生)的に現在検討中である。
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J Physiological Sciences
巻: 61 ページ: S116
巻: 61 ページ: S186
ケミカルエンジニアリング
巻: 55(8) ページ: 58(626)-63(631)
http://www.med.u-toyama.ac.jp/saiseiigaku/index.html