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2011 年度 実績報告書

リンパ管新生におけるアンジオポエチンの発現・機能解析とリンパ管誘導システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21590217
研究機関大分県立看護科学大学

研究代表者

下田 浩  大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (20274748)

キーワードリンパ管新生 / 中間型VEGF-C / アンジオポエチン-2 / リンパ管誘導 / 組織化学 / 分子形態学 / ドラッグデリバリー
研究概要

野生型マウスとアンジオポエチン遺伝子改変マウスを用いて、独自に作成した中間型VEGF-C添加コラーゲングラフトモデルを作製し、生体内リンパ管新生におけるアンジオポエチンの発現動態とアンジオポエチン-2(Ang-2)の必要性を明らかにした。さらに、Ang-2はリンパ管内皮細胞に対してagonistとして作用し、リンパ管新生を活性化させるだけでなく、Foxc2とともにPDGF-BB-PDGFR-βによるシグナリングカスケードを惹起させることでリンパ管の形態形成にも密接に関与することが判明した。これまでの研究成績を総合的に解析した結果、中間型VEGF-Cは従来の脈管薪生因子より有効にリンパ管新生を誘導するイニシエーターであり、Ang-2は新生リンパ管の成長と形態形成に与る重要なプロモーターであると考えられた。これより、中間型VEGF-CとAng-2を用いた数種類の成長因子カクテルを作製し、これらを添加したグラフトを生体に移植したところ、中間型VEGF-C単独よりも旺盛なリンパ管新生を導くだけでなく、小静脈からのリンパ管発生を誘導する成長因子カクテルを抽出することが出来た。誘導された新生リンパ管は組織液の吸収や細胞の輸送などの機能性を有しており、本研究で開発した中間型VEGF-C-Ang-2カクテルは現在医学的・社会的問題として注目される難治性リンパ浮腫に対して新たな治療戦略を提供するツールとして期待できるものと思われる。以上の研究成果をもとに現在、極めて細い注射針で生体注入可能なリンパ管新生ドラッグデリバリーシステムとして中間型VEGF-C-Ang-2カクテルによる自己組織化ナノペプチドハイドロゲルの開発を手掛けている。これを原発性・続発性リンパ浮腫モデルに適用し、その効能を解析することにより難治性リンパ浮腫治療への臨床応用を目指している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dysmorphogenesis of lymph nodes in Foxc2 haploinsufficient mice2011

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Shimoda
    • 雑誌名

      Histochemistry and Cell Biology

      巻: 135 ページ: 603-613

    • DOI

      10.1007/s00418-011-0819-x

    • 査読あり
  • [学会発表] リンパ管形成におけるAngiopoietin-2の発現・機能解析2011

    • 著者名/発表者名
      下田浩
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会・第67回学術講演会シンポジウム
    • 発表場所
      福岡国際会議場(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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