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2009 年度 実績報告書

生体内造血制御機構におけるストローマ細胞の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21590223
研究機関日本大学

研究代表者

相沢 信  日本大学, 医学部, 教授 (30202443)

キーワード細胞・組織 / 発生・分化 / 造血微小環境 / 造血幹細胞 / 骨髄 / 間葉系幹細胞 / ストローマ細胞 / Senescence-accelerated mice
研究概要

造血現象は造血幹細胞という種が、造血微小環境という畑において育つ過程を示すものであり、種、畑いずれの欠陥も結果的に貧血等の原因となる。造血微小環境は、造血幹細胞をとりまくように存在する「ストローマ細胞」と総称される間質系細胞より構成される。本研究では、生体内造血組織におけるこれら細胞の存在様式、また実際に造血幹細胞の増殖、分化にどのような関わりを持って機能しているかについて、Senescence-accelerated mice(SAM)を用いて検討を行った。SAMは若年期には正常の造血を認めるが(non-stromal cell impairment mice : non-SCI)、30週齢以降加齢と共に貧血等の血液学的異常所見を呈することが知られている(stromal cell impairment mice : SCI)。両者を比較検討した結果、恒常的造血ではSCIの骨髄造血細胞数は保持されていたが、脾臓においては造血細胞数の減少がコロニー形成法により観察された。ストローマ細胞を認識するPA-6抗体を用いた組織学的検討で、ストローマ細胞は骨髄中では骨梁周囲に密に存在し、抗サイトカイン抗体を用いた二重染色で、SCIでは特にflurouracil(5FU)あるいは炎症性物質であるneopterin投与後の造血亢進状態において、ストローマ細胞の増殖性および造血因子産生能がnon-SCIに比較して有意に低下していることが観察された。このSCI由来ストローマ細胞の造血因子産生機能低下は、分離したストローマ細胞のin vitro培養系でも遺伝子発現および蛋白合成の両面で低下が確認された。これら結果は造血微小環境の構成要素であるストローマ細胞機能の造血反応における重要性を強く示唆するものであり、その障害が血球産生異常に関与していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Inflammatory biomarker, neopterin, predominantly enhances myelopoiesis, which suppresses erythropoiesis via activated stromal cells2009

    • 著者名/発表者名
      Tsuboi I, Harada T, Hirabayashi Y, Kanno J, Inoue T, Aizawa S
    • 雑誌名

      Immunobiology 8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] In vitro effect of neopterin on erythropoiesis in mice2009

    • 著者名/発表者名
      Tsuboi I, Hokari T, Harada T, Yuda M, Aizawa S
    • 雑誌名

      Pteridines 20

      ページ: 115-118

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of neopterin on the hematopoietic system2009

    • 著者名/発表者名
      Tsuboi I, Aizawa S
    • 雑誌名

      Pteridines 20

      ページ: 129-134

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス骨髄の赤血球造血に対するネオプテリンの効果2010

    • 著者名/発表者名
      原田智紀、壷井功、大橋晶子、大島秀規、原弘之、相澤信
    • 学会等名
      第115回日本解剖学会総会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      2010-03-28
  • [学会発表] 放射線照射径の造血微小環境はサイトカインを介してB細胞造血を促進と顆粒球造血を抑制する2009

    • 著者名/発表者名
      壷井功, 原田智紀, 平林容子, 菅野純, 井上達, 相澤信
    • 学会等名
      第71回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-10-25
  • [学会発表] 放射線照射後のB細胞造血の促進と顆粒球造血の抑制は造血微小環境により制御される2009

    • 著者名/発表者名
      壷井功、原田智紀、平林容子、菅野純、井上達、相澤信
    • 学会等名
      第24回老化促進モデルマウス(SAM)研究協議会
    • 発表場所
      松本
    • 年月日
      2009-07-10
  • [学会発表] Myeloablation 後のB細胞造血の回復は加齢による造血微小環境の機能低下により遅延する2009

    • 著者名/発表者名
      壷井功, 原田智紀, 平林容子, 菅野純, 井上達, 相澤信
    • 学会等名
      第32回基礎老化学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-06-19

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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