研究課題/領域番号 |
21590238
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
植田 高史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90244540)
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研究分担者 |
島田 昌一 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20216063)
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20326135)
石田 雄介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30381809)
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キーワード | 化学受容器 / 受容体 / シグナル伝達 / 呼吸器系 / 上皮細胞 / 嗅覚系CO2受容機構 |
研究概要 |
1)嗅覚系CO_2受容細胞の解析システムの構築 ラット嗅上皮から単離した細胞を用い、CO_2濃度を0%-18%に変化させていった時の細胞のカルシウム応答を観察できるようになったが、反応細胞の割合は少なく、現在解析システムの再構築を行っている。電気生理学的な手法は研究分担者の鵜川がパッチクランプ法にて行っているが、現在までにコンスタントな応答は観察できておらず、さらに条件を検討している。 2)CO_2受容細胞に発現する遺伝子の解析 CO_2受容細胞はcarbonic anhydrase (CA)を含有していることが報告されており、我々も免疫染色して本年度その事実を確認した。CAIIはある特定の嗅覚上皮細胞に発現し、この細胞にはphosphodiesterase 2A (PDE2A)やguanylyl cyclase D (GC-D)に対する免疫陽性反応も見いだされた。これら嗅覚上皮のCO2受容細胞候補は、嗅覚系、すなわち前脳の嗅球に投射されることから、情動や思考に影響を及ぼすものと考えられるこれまで報告のない経路である。一方、この免疫組織学的検索により嗅覚系とは別のCO2に対する呼吸反射に関わるCO2受容機構が存在することが示唆されたので、今後我々は本解析を鼻腔の呼吸部にまで拡大しCAの分布などについて詳細に検討していく予定である。
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