• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

呼吸上皮に存在する新規CO2受容体の単離と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21590238
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

植田 高史  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (90244540)

研究分担者 鵜川 眞也  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20326135)
キーワード化学受容器 / 受容体 / シグナル伝達 / 呼吸器系 / 上皮細胞 / 嗅覚系CO_2受容器
研究概要

マウス鼻腔上皮のCO_2に対する応答をEOG(嗅電図)で観察することは困難であったので、単離した細胞におけるカルシウム応答をカルシウムイメージング法により観察した。鼻腔上皮を酵素処理により単細胞にしたあとの解析では、頻度は少ないもののCO_2に応答する細胞が観察された。パッチクランプ法による電気生理学的解析は、発現している細胞が少ないせいか、十分解析できるだけのデータが取れず、その電気生理学的性質については未だ不明である。
CO_2受容細胞にはcarbonic anhydrase II(CAII)やguanylyl cyclase D(GC-D)に対する免疫陽性反応が見いだされた。従って、CAIIにより産生される水素イオンまたは重炭酸イオンがこの分子基盤に関わっている可能性が示唆された。水素イオンに応答する受容体遺伝子としてtransient receptor potential vanilloid subtype 1(TRPV1)やacid-sensing ion channel(ASIC)がよく知られている。我々はTRPV1,ASIC1,ASIC2,ASIC3の遺伝子の発現についてin situハイブリダイゼーション法や免疫組織化学により検索したが、すべての遺伝子ともにその発現は粘膜上皮にはみられず、三叉神経節から投射している知覚自由神経終末に局在していた。さらにマウス鼻腔上皮細胞のCO_2に対するカルシウム応答は、TRPV1のブロッカーであるカプサゼピンでは抑制されなかった。ASICのブロッカーとしてはアミロライドがよく知られているが、カルシウムイメージングでは使用できず効果は不明である。以上の結果より、CO_2受容細胞でのCO_2に対するカルシウム応答にTRPV1やASICは関与しないことが明らかとなり、他の水素イオン感受性受容体、あるいは重炭酸イオンによる活性化経路が支持された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Geissoschizine methyl ether has third-generation antipsychotic-like actions at the dopamine and serotonin receptors2011

    • 著者名/発表者名
      Ueda T, Ugawa S, Ishida Y, Shimada S
    • 雑誌名

      Eur J Pharmacol

      巻: 671 ページ: 79-86

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2011.09.007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acid inhibits TRPV4-mediated Ca^<2+> influx in mouse esophageal epithelial cells2011

    • 著者名/発表者名
      Shikano M, Ueda T, Kamiya T, Ishida Y, Yamada T, 他
    • 雑誌名

      Neurogastroenterol Motil

      巻: 23 ページ: 1020-1028

    • DOI

      10.1111/j.1365-2982.2011.01767.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The TRPV4 channel is a novel regulator of intracellular Ca^<2+> in human esophageal epithelial cells2011

    • 著者名/発表者名
      Ueda T, Shikano M, Kamiya T, Joh T, Ugawa S
    • 雑誌名

      Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol

      巻: 301 ページ: G138-G147

    • DOI

      10.1152/ajpgi.00511.2010

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi