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2009 年度 実績報告書

新たな心機能制御因子;Ca^<2+>センサーNCS-1の生理的・病態的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590248
研究機関独立行政法人国立循環器病研究センター

研究代表者

西谷 友重  独立行政法人国立循環器病研究センター, 循環分子生理部, 室長 (50393244)

キーワードカルシウムセンサー / シグナル伝達 / 幼弱期 / EC-coupling
研究概要

NCS-1(Neuronal Ca^<2+> sensor-1/Frequenin)は興奮性細胞特異的に発現するCa^<2+>センサータンパク質であり、イオンチャネルの制御などを行なうことにより、神経機能に重要な役割を担っていることが知られている。NCS-1は神経のみならず心臓にも高発現しているが、心臓におけるNCS-1の役割についてはほとんど不明である。以前の研究により、NCS-1の心臓における発現量が胎児期や新生児期といった幼弱期で最も高く、その後、除じょに減少していくことから今回、特に未成熟期の心臓におけるNCS-1の役割について主にNCS-1欠損(KO)マウスを用いて解析した。
NCS-1の細胞内局在は形質膜や核膜周辺、筋小胞体(SR)膜など細胞内Ca^<2+>制御部位に集積していた。また野生型およびKOマウスを用いた心エコー測定により、幼弱期のKOマウスでは特に収縮期における心機能および心拍数の低下が認められたが、成体では差は認められなかった。その細胞内メカニズムとして、収縮期の細胞内Ca^<2+>レベルおよびSR内Ca^<2+>量の低下、またSR Ca^<2+>ポンプやそれらを制御する種々のCa^<2+>依存性の制御因子の活性がKOマウスで低下しているためであることがわかった。現在、これらCa^<2+>シグナル減少の原因因子としてCa^<2+>依存性のNCS-1結合タンパク質を同定し、それがNCS-1同様、幼弱期の心臓で高発現していたことから、これらNCS-1複合体がSRが未熟な幼弱期における興奮一収縮相関(EC-coupling)に寄与していることが初めて示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [学会発表] Neuronal Ca^<2+> Sensor-1(NCS-1)は新しい心筋Ca2+シグナル調節因子である2009

    • 著者名/発表者名
      西谷友重
    • 学会等名
      特定領域研究「細胞感覚」平成21年度冬の班会議
    • 発表場所
      箕面観光ホテル(大阪府)
    • 年月日
      2009-12-23
  • [学会発表] 心機能不全におけるイオンシグナロームの役割と病態的意義の解明2009

    • 著者名/発表者名
      西谷友重・若林繁夫
    • 学会等名
      循環器病研究委託費20公-3 平成21年度班会議
    • 発表場所
      国立循環器病センター(大阪府)
    • 年月日
      2009-12-18
  • [学会発表] Neuronal Ca^<2+> Sensor-1(NCS-1)の心筋Ca^<2+>シグナル調節因子としての機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      西谷(中村)友重
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル(兵庫県)
    • 年月日
      2009-10-24
  • [学会発表] Novel role of NCS-1, a Ca^<2+> sensor as a regulator of cardiac function2009

    • 著者名/発表者名
      Tomoe-Y Nakamura-Nishitani
    • 学会等名
      The 36^<th> Congress of the International Union of Physiological Scienes
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都府)
    • 年月日
      2009-06-30
  • [図書] 蛋白質 核酸 酵素PNE(Fraction collector)Oh NO!NOが筋ジストロフィーの原因となる!2009

    • 著者名/発表者名
      西谷友重
    • 総ページ数
      852
    • 出版者
      共立出版
  • [図書] NCS-1 as a regulator of Kv4 K^+ channels. In : Neuronal Calcium Sensor Proteins. Chapter III2009

    • 著者名/発表者名
      T.Y.Nakamura, L.Parachuru, S.Nandi, L.Porter, D.J.Pountney, W.A.Coetzee
    • 出版者
      Nova Science publishers, Inc(In press)

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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