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2011 年度 実績報告書

新たな心機能制御因子;Ca^<2+>センサーNCS-1の生理的・病態的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590248
研究機関独立行政法人国立循環器病研究センター

研究代表者

西谷 友重  独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子生理部, 室長 (50393244)

キーワードカルシウムセンサー / 幼若期 / EC-カップリング / 心肥大
研究概要

NCS-1(Neuronal Ca^<2+>sensor-1/Frequenin)は興奮性細胞特異的に発現するCa^<2+>センサータンパク質であり、イオンチャネルの制御などを行なうことにより、神経機能に重要な役割を担っていることが知られている。NCS-1は神経のみならず、特に未成熟期の心臓にも高発現していることを明らかにしてきたが、心臓におけるNCS-1の役割については不明であった。本研究で、NCS-1欠損(KO)マウスを用いて、NCS-1の心臓における生理的・病態的役割がはじめて明らかとなった。
NCS-1の遺伝子欠損(KO)マウスでは、新生児の約3割が死亡した。また生き残ったマウスにおいても幼少時期の心臓の収縮力、および細胞内Ca^<2+>トランジエントが60%まで低下していた。詳しい解析から、NCS-1は、心筋Ca^<2+>貯蔵部位であるSRから細胞内にCa^<2+>を放出するIP_3受容体と結合し活性化し、その局所のCa^<2+>上昇がCa^<2+>/カルモジュリン依存性キナーゼII(CaMKII)を活性化して細胞全体のCa^<2+>シグナルを増強させることにより、SRが未発達な幼少期の心筋収縮に寄与することが明らかとなった。一方、成体マウスの心臓においては、NCS-1は心肥大のような病態時に発現量が高くなり、ホルモン刺激による心肥大がKOマウスで生じにくかったことより、NCS-1が成体心の心肥大形成にも寄与することが示された。これらの知見は、小児科領域における心臓生理の理解のみならず、心肥大発症機構の解明などにも役立つことが期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Neuronal Calcium Sensor-1 Promotes Immature Heart Function and Hypertrophy by Enhancing Ca^<2+> Signals2011

    • 著者名/発表者名
      Tomoe Y. Nakamura, Andreas Jeromin, Katsuhiko Mikoshiba, Shigeo Wakabayashi
    • 雑誌名

      Circulation Research. Circulation Resear

      巻: 109 ページ: 512-523

    • DOI

      DOI:10.1161/CIRCRESAHA.111.248864

    • 査読あり
  • [学会発表] 幼少期の心機能および心肥大を制御する新しいカルシウム調節タンパク質の発見と分子機構2012

    • 著者名/発表者名
      西谷(中村)友重
    • 学会等名
      第89回日本生理学会大会
    • 発表場所
      長野県松本文化会館(シンポジウム)
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] Neuronal Ca^<2+> Sensor-1のストレス下の心筋サバイバル因子としての働き2011

    • 著者名/発表者名
      中村(西谷)友重
    • 学会等名
      第104回近畿生理学談話会
    • 発表場所
      大阪医科大学
    • 年月日
      2011-10-01
  • [学会発表] Neuronal Ca^<2+> sensor-1のストレス下の心筋サバイバルにおける役割2011

    • 著者名/発表者名
      中村(西谷)友重、若林繁夫
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会議場(Talk)
    • 年月日
      2011-09-24
  • [学会発表] Na^+/H^+交換輸送体(NHE1)の活性化による心肥大シグナル増幅機構2011

    • 著者名/発表者名
      久光隆、中村(西谷)友重、古林創史、嶋田直子、岩田裕子、若林繁夫
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会議場(シンポジウム)
    • 年月日
      2011-09-21

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公開日: 2013-06-26  

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