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2011 年度 実績報告書

酸化ストレス適応応答のシグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590287
研究機関熊本大学

研究代表者

藤井 重元  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (00325333)

研究分担者 岡本 竜哉  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (30419634)
キーワードシグナル伝達 / 酸化ストレス / 適応応答 / 8-nitro-cGMP / S-グアニル化
研究概要

研究代表者らは最近、生体内での活性酸素と一酸化窒素(NO)の生成によりニトロ化環状ヌクレオチドである8-nitro-cGMPが生成し、酸化ストレス適応応答の2次メッセンジャーとして機能していることを明らかにした。さらに、8-nitro-cGMPがユニークな蛋白質翻訳後修飾(S-グアニル化)を起こすことを明らかにし、転写因子Nrf2の活性調節因子であるKeap1が、生体内においてS-グアニル化を受ける主要な蛋白質であることを見出した。本研究では、8-nitro-cGMPによるKeap1/Nrf2転写系の制御機構を明らかにし、酸化ストレス適応応答の分子基盤を解明することを目的とする。これまでに、8-nitro-cGMPの特異的かつ高感度な定量法(安定同位体希釈法-質量分析法)を確立し、誘導型NO合成酵素の発現誘導刺激(リポ多糖と炎症性サイトカイン)を行ったC6ラットグリオーマ細胞において、40microMを超える8-nitro-cGMPが生成することを明らかにした。さらに、この8-nitro-cGMPの生成に伴いKeap1のS-グアニル化が著明に増加し、Nrf2の活性化とヘムオキシゲナーゼ-1などの抗酸化酵素群の発現増加が観察された。本年度は、8-nitro-cGMPの生成メカニズムについて活性酸素産生機構に関するさらに詳細な解析を行った。その結果、上記の刺激をした細胞において、NADPHオキシダーゼとミトコンドリアに由来する活性酸素が8-nitro-cGMPの生成に重要な役割を果たしていることが明らかになった。これらのことから、8-nitro-cGMPは、活性酸素とNOの2次メッセンジャーとして、Keap1のS-グアニル化を介した酸化ストレスに対する適応応答において重要な役割を果たしていることが示された。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Regulation by mitochondrial superoxide and NADPH oxidase of cellular formation of nitrated cyclic GMP : potential implications for ROS signalling2012

    • 著者名/発表者名
      Ahmed KA., et al
    • 雑誌名

      Biochem J

      巻: 441 ページ: 719-730

    • DOI

      10.1042/BJ20111130

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ニトロ化環状ヌクレオチドによるタンパク質S-グアニル化を介する酸化ストレス適応応答の分子機序2012

    • 著者名/発表者名
      藤井重元、赤池孝章
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 84 ページ: 124-128

  • [雑誌論文] Methodological proof of immunochemistry for specific identification of 8-nitroguanosine 3',5'-cyclic monophosphate formed in glia cells2011

    • 著者名/発表者名
      Ihara H., et al
    • 雑誌名

      Nitric Oxide

      巻: 25 ページ: 169-175

    • DOI

      10.1016/j.niox.2011.04.015

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 喫煙と酸化ストレス:Oxidative stress induced by cigarette smoking2011

    • 著者名/発表者名
      岡本竜哉, 他
    • 雑誌名

      最新精神医学

      巻: 16 ページ: 431-439

  • [雑誌論文] 植物精油citralのインフルエンザウイルス感染能抑制効果について:Experimental study of a citral on the preventive effect of influenza virus infection2011

    • 著者名/発表者名
      今吉理恵子, 他
    • 雑誌名

      医学と生物学

      巻: 155 ページ: 489-494

    • 査読あり
  • [学会発表] 硫化水素によるオートファジー制御と感染防御シグナル2012

    • 著者名/発表者名
      岡本竜哉、赤池孝章
    • 学会等名
      第85回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール(長崎市)
    • 年月日
      2012-03-27
  • [学会発表] 硫化水素の抗酸化機能と酸化ストレスバイオマーカー2012

    • 著者名/発表者名
      藤井重元、赤池孝章
    • 学会等名
      第8回呼吸器バイオマーカー研究会
    • 発表場所
      都市センターホテル(東京)
    • 年月日
      2012-03-10
  • [学会発表] サルモネラ感染におけるオートファジーを介した細胞内殺菌と内因性硫化水素イオンによる抑制2011

    • 著者名/発表者名
      岡本竜哉, 他
    • 学会等名
      第17回MPO研究会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本市)
    • 年月日
      2011-10-28
  • [学会発表] 小児致死的ARDS症例および鳥インフルエンザウイルス感染症例の血漿蛋白質中の3-ニトロチロシンの解析2011

    • 著者名/発表者名
      岡本竜哉, 他
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都市)
    • 年月日
      2011-09-21
  • [学会発表] Nitric oxide and ROS signaling mediated by nitrated cyclic guanine nucleotide2011

    • 著者名/発表者名
      Shigemoto Fujii
    • 学会等名
      文部科学省新学術領域研究国際シンポジウム"活性酸素のシグナル伝達機能"
    • 発表場所
      熊本大学山崎記念館(熊本)
    • 年月日
      2011-09-12
  • [学会発表] 小児致死的ARDS症例および鳥インフルエンザウイルス感染症例の血漿蛋白質中の3-ニトロチロシンの解析2011

    • 著者名/発表者名
      岡本竜哉, 他
    • 学会等名
      第64回日本細菌学会九州支部総会
    • 発表場所
      門司港ホテル(門司市)
    • 年月日
      2011-08-26
  • [学会発表] オートファジー誘導物質を用いた感染症治療2011

    • 著者名/発表者名
      岡本竜哉
    • 学会等名
      第4回感染病態研究フロンティア
    • 発表場所
      ホテル阪急(吹田市)
    • 年月日
      2011-08-06
  • [学会発表] 小児致死的ARDS症例および鳥インフルエンザウイルス感染症例の血漿蛋白質中の3-ニトロチロシンの解析2011

    • 著者名/発表者名
      岡本竜哉
    • 学会等名
      第11回日本NO学会学術集会
    • 発表場所
      昭和薬科大学(東京都町田)
    • 年月日
      2011-05-13
  • [備考]

    • URL

      http://kumadai-bisei.com/

  • [備考]

    • URL

      http://www.ros-signal.jp/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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