• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

臓器線維化に関与する線維芽細胞のNa^+/Ca^<2+>交換輸送体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590288
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

木村 純子  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10186322)

キーワード心臓 / 線維芽細胞 / 低酸素 / TRPM2 / ADPリボース / 過酸化水素 / 細胞内Ca^<2+> / ラット
研究概要

ラットの心臓から初代培養した線維芽細胞を用い、線維芽細胞に発現するNa^+/Ca^<2+>交換輸送体(NCX)および非選択性陽イオンチャネルであるtransient receptor potential melastatin (TRPM2)チャネルのmRNA発現量に対する低酸素の影響を調べた。線維芽細胞の培養皿をアネロパックを用いて24時間、37℃のインキュベーター内で低酸素に暴露した後、mRNAを回収した。またこの時の線維芽細胞をホールセルクランプして膜電流を測定した。すると、低酸素暴露細胞ではコントロール細胞に比べて、膜電流が有意に増大していた。この電流は、-20mV付近で逆転すること、トリクロマゾールで抑制されること、などから、TRPM2の可能性が示唆された。そこで、TRPM2のmRNAをRT-PCR法で調べたところ、低酸素に暴露した線維芽細胞で、TRPM2の発現量が有意に亢進していた。TRPM2のsiRNAを作用させた細胞を低酸素暴露すると、TRPM2のmRNA発現量の増加は顕著に抑制された。TRPM2を活性化させるADPリボースを電極内液に含めてホールセルクランプすると、低酸素暴露細胞の電流はADPリボースなしの細胞に比べて有意に増大した。またfura-2を用いて細胞内Ca^<2+>濃度を測定したところ、低酸素細胞のCa^<2+>濃度はコントロールより有意に高かった。TRPM2を活性化させるH_2O_2を細胞外に還流すると、細胞内Ca^<2+>濃度は、低酸素細胞で有意に高くなった。以上から心臓の線維芽細胞は低酸素に暴露されると、TRPM2チャネルが発現し、細胞内Ca^<2+>濃度を高めることが分かった。また、低酸素暴露した線維芽細胞では、NCXの発現量は低下していた。これらの低酸素暴露の作用は、線維芽細胞の機能を活性化し、心臓の線維化促進に関与する可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Hypoxic stress induces transient receptor potential melastatain 2 (TRPM2) channel expression in adult rat cardiac fibroblasts2012

    • 著者名/発表者名
      Kenji Takahashi, Kazuho Sakamoto, Junko Kimura
    • 雑誌名

      Journal of Pharmacological Sciences

      巻: 118 ページ: 186-197

    • DOI

      10.1254/jphs.11128FP

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 長期ニコチン受容体刺激により誘発される生体機能変化:Na^+/Ca^<2+>交換輸送体の発現量の変化2011

    • 著者名/発表者名
      木村純子
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 237 ページ: 62-69

  • [雑誌論文] Inhibition of Rab1 GTPase and endoplasmic reticulum-to-Golgi trafficking underlies statin's toxicity in rat skeletal myofibers2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuho Sakamoto, Ikuo Wada, Junko Kimura
    • 雑誌名

      J.Pharmacol.Exper.Therap

      巻: 338 ページ: 62-69

    • DOI

      10.1124/jpet.111.179762

    • 査読あり
  • [学会発表] Hypoxic stress induces TRPM2 channel expression in adult rat cardiac fibroblasts2011

    • 著者名/発表者名
      Kenji Takahashi, Kazuho Sakamoto, Junko Kimura
    • 学会等名
      第84回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      (横浜の予定だったが東日本大震災のため誌上開催J Pharmacol Sci.115, Suppl 1,91P,2011)
    • 年月日
      20110322-20110324

URL: 

公開日: 2013-06-26   更新日: 2014-03-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi