糖尿病合併症は微小血管機能と密接に関わっている。本研究では腸間膜動脈第二分枝 (MA2) や腎葉間動脈 (ILA) など微小血管標本を用いて、糖尿病性の血管機能障害を解明した。標本は、2型糖尿病モデルより摘出し、phenylephrine誘発収縮応答を、独自に構築したシステムを用いて正常および高血糖条件下にて評価した。MA2 収縮は、糖尿病病態下で低下し、細胞外糖濃度依存的な収縮亢進も消失した。これに対して、腎内部の ILA 収縮は、糖尿病病態下で有意に亢進しており、さらに糖濃度依存的に増加した。これらの結果は、微小血管機能障害がそれぞれの組織で異なった変化することを示している。
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