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2010 年度 実績報告書

中枢神経系酸化ストレス抵抗性マウスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590291
研究機関帝京大学

研究代表者

中木 敏夫  帝京大学, 医学部, 教授 (30164148)

研究分担者 青山 晃治  帝京大学, 医学部, 講師 (00420943)
キーワード神経グルタチオン / GTRAP3-18 / EAAC1 / EAAT3 / システイン / 遺伝子改変マウス / 酸化ストレス抵抗性
研究概要

グルタチオンは生体抗酸化物質としてきわめて重要な分子である。膜タンパク質GTRAP3-18がEAAC1と細胞膜上で結合し、EAAC1のシステイン輸送活性を阻害することおよび細胞内グルタチオン量が増加することを本研究以前に見出していた。オリゴヌクレオチドおよびsiRNAによりGTRAP3-18の発現を抑制すると、神経細胞内グルタチオン量が増加すること、またGTRAP3-18の発現を増加させる試薬(methyl-・-cyclodextrin)を作用させると神経細胞内グルタチオン量が減少することをやはり本研究開始直前に見出した。したがって、生体位においてGTRAP3-18はEAAC1活性の抑制性因子として働くことが示された。しかし、siRNAはoff targetの可能性を完全に否定することはできない。この懸念を払拭してGTRAP3-18がEAAC1活性の抑制性因子であることおよび神経変性における役割を確立するためには、遺伝子破壊マウスで証明することが必要であると考えられた。
そこで申請者はGTRAP3-18遺伝子破壊マウスを作成・確立し、EAAC1活性の増加およびそれに伴う中枢神経系グルタチオン量の増加、さらには神経変性に対する抵抗性について検討した。GTRAP3-18遺伝子破壊マウスは次のような表現形を示した。(1)脳グルタチオン量は野生型マウスに比較して増加していた。(2)、SIN-1による酸化ストレスに対して抵抗性を示した。(3)水迷路試験において、野生型よりも学習能力が高かった。これらの結果より、GTRAP3-18は脳グルタチオン量の決定因子の一つであることが確立したと申請者は考えている。さらに、GTRAP3-18阻害化合物が神経細胞グルタチオンを増加させる可能性を示すものであり、そのような化合物の開発を進める基礎となる知見であると考える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Modulation of neuronal glutathione synthesis by EAAC1 and its interacting protein GTRAF2011

    • 著者名/発表者名
      Aoyama K, Nakaki T
    • 雑誌名

      Amino Acids

      巻: 3月5日号

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Caffeine and uric acid mediate glutathione synthesis for neuroprotection.2011

    • 著者名/発表者名
      Aoyama K, Nakaki T
    • 雑誌名

      Neurosciense

      巻: 181 ページ: 206-215

    • 査読あり
  • [学会発表] プリン誘導体による神経グルタチオン増加2011

    • 著者名/発表者名
      青山晃治、松村暢子、渡部正彦、王凡、中木敏夫
    • 学会等名
      第84回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜(誌上発表)
    • 年月日
      2011-03-22

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公開日: 2012-07-19  

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