研究概要 |
4週令の雄性ICR系マウスにovalbumin(OVA,4mg/kg)を1週間間隔で2回腹腔内投与しその翌週からOVAを10mg/50mlの用量で連日6日間処置することにより、マウスアレルギー性気道炎モデルを作成した。本モデルを用いてカプサイシン誘発咳嗽数を非気道炎モデルマウス(対照マウス)と比較したところ、その咳嗽数は有意に増加しており、アレルギー性気道炎モデルにおいて咳嗽亢進が引き起こされていることを確認できた。アレルギー性気道炎モデルにおけるカプサイシン誘発咳嗽数の増加はC線維の脱感作により、消失した。また、本モデルマウスの肺胞洗浄液中の一酸化窒素(NO)濃度は、対照マウスに比べ有意に増加していた。しかし、肺胞洗浄液中のsubstance P量に対しては有意な変化が認められなかった。一方、アレルギー性気道炎症モデルマウスにおいて認められたカプサイシン誘発咳嗽数の増加と肺胞洗浄液中のNO濃度の増加はCysteinyl-leukotriene(Cys-LTs)受容体拮抗薬であるmontelukastにより、対照マウスで認められたレベルにまで抑制された。これらのことより、アレルギー性気道炎症時に認められる、咳嗽反射亢進にはCys-LTs受容体を介したNO産生亢進がの一部関与していることが明らかとなった。また、アレルギー性気道炎症時に認められる咳嗽反射亢進にC線維が関与していることは明らかであるにも関わらず、肺胞洗浄液中のsubstance P量の遊離量に変化が認められなかったことより、本モデルにおける咳嗽反射亢進にはsubstance P以外のタキキニン類が関与している可能性が考えられる。今後、Cys-LTsによるNO産生亢進機序ならびにそれら亢進機序に対するCCdk5の影響をさらに検討する。
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