研究課題
慢性あるいは遷延性咳嗽に対する有用な治療薬の探索につながる糸口を見出すことが本研究の最終目的であり、これまで慢性あるいは遷延性咳嗽における咳感受性におけるC線維の関与を検討し、昨年度はCdk5の活性化によりC線維の活性化が亢進することを明らかにしているovalbmin感作により作成した気道炎症モデルマウスにおける咳嗽感受性亢進にテトロドトキシン(TTX)抵抗性Na^+チャネルが関与していることを明らかにした。本年度はC線維の活性亢進におけるTTX感受性Na^+チャネルの関与を検討した。TTX感受性Na^+チャネルのαサブユニットNav1.7に対して選択性の高いNa^+チャネルオープナーであるveratridineをマウスに吸入することにより濃度依存的に咳嗽数が増加し、その咳嗽はNav1.7の選択的阻害薬であるProTXIIにより抑制された。また、veratridine誘発咳嗽はTRPV1の選択的阻害薬であるcapsazepineにより抑制された。さらに、C線維を脱感作させたマウスにおいてveratridine吸入よる咳嗽数の増加は認められなかった。これらの結果より、TTX感受性Na^+チャネルのαサブユニットNav1.7はTRPV1を間接的に活性化することでC線維の活性を亢進し、咳嗽反射に関与する受容体の感受性増強に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。これまでの研究成果を総合すると慢性咳嗽のすべてではないものの咳感受性が亢進している病態においてはTRPV1を介する経路と介さずに直接的にC線維を興奮させる機序が関与しており。TRPV1を介した経路においてはCdk5が重要な役割を果たしていることが考えられる。
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Eur.J.Pharmacol.
巻: 625 ページ: 117-120
10.1016/j.ejphar.2010.11.019