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2010 年度 実績報告書

ATP・アデノシン系は生活習慣病モデル動物の拡張機能障害心に保護作用を示すか?

研究課題

研究課題/領域番号 21590296
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

篠塚 和正  武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (50117777)

キーワードATP / アデノシン / SHR.Z-Lepr^<fa>/IzmDmcrラット / 拡張機能障害 / 心交感神経 / ノルアドレナリン遊離 / 低酸素状態 / ニコランジル
研究概要

1) SHR.Z-Lepr^<fa>/IzmDmcr(SHR.Z)の右心室筋標本におけるATPやアデノシン等のプリン物質の放出量は、SHR.Zにおける週齢の増加(拡張機能障害の進展)にともなって、正常な状態下では増加する傾向が観察されたが最終的な結果では有意な差は認められなかった。
2) SHR.Z右心室筋標本の交感神経からのノルアドレナリン遊離に対するP1受容体作動薬の抑制作用は、SHR.Zにおける週齢の増加(拡張機能障害の進展)にともなって消失する事が認められ、正常な状態下ではSHRと同様にdysfunctionを起こす事が明らかとなった。
以上の結果と虚血性心疾患状態におけるプレコンディショニングにアデノシン系が重要な役割を果たしている事を考え合わせると、正常状態よりも虚血(低酸素)状態下でのATP・アデノシン系の機能を追求した方がより大きな成果が得られると予想される。そこで低酸素状態における交感神経機能に対するATP・アデノシン系、さらにプレコンディショニングにおいて重要な因子であるATP感受性カリウムチャネルについて検討した。実験では窒素ガスを通気する事により低酸素状態を惹起させた。
1) 低酸素状態により、SHR.Z右心室筋標本からのノルアドレナリンの自発性放出の増加が観察された。この増加がアミンポンプ阻害薬により抑制された事から、同ポンプの逆行性輸送に基づく事が示唆された。
2) 低酸素状態により、SHR.Z右心室筋標本からのATP等のプリン物質の自発性放出の増加が観察された。この増加がニコランジルにより促進される事が観察された。
以上の結果より、虚血性心疾患状態における交感神経の異常な活性化時にATP・アデノシンの遊離が促進されており、プレコンディショニングに関与している可能性が示唆された。次年度はこの点を解明する。

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公開日: 2012-07-19  

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