デスミン心筋症の病態形成にヒストン脱アセチル化酵素(HDAC) 6が関わっているか否かを検討した。心筋細胞にデスミン心筋症の原因の一つである点変異α-Bクリスタリンを過剰発現させると、細胞内に不溶性凝集体が蓄積し、細胞生存率は低下した。点変異クリスタリンと同時にHDAC6を過剰発現させると、点変異クリスタリンによる細胞障害は抑制された。一方、HDAC6を失活させると、細胞障害は悪化した。この結果は、遺伝子改変マウスを用いた研究でも再現された。心筋HDAC6活性の低下は、デスミン心筋症病態を悪化させることが明らかとなった。
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