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2010 年度 実績報告書

Wntシグナルによる胎盤形成制御の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 21590301
研究機関東京大学

研究代表者

中村 勉  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (30302798)

キーワード胎盤 / Wnt / Bcl9-like / 【〇!R】-catenin / TCF4 / Gcm1 / 細胞融合 / Syncytin
研究概要

研究実施計画では、平成22年度以降の重点計画として、Wnt/β-cateninシグナルの下流でGcm1により転写調節される遺伝子の同定をとりあげた。その候補として、Gcm1の下流因子syncytin-1および-2に着目してノックダウン実験およびノックアウトマウスを用いたin vivo解析を行い、以下の知見を得た。
1)BeWo細胞において、B9L、β-cateninあるいはTCF4をノックダウンすると、syncytin-1および-2の発現が抑制される。したがって、syncytin-1および-2はWnt/β-cateninシグナルの下流でGcm1により発現制御をうけていることが示された。
2)syncytin-1および-2は細胞融合制御因子であることが知られている。実際、BeWo細胞において、B9L、β-cateninあるいはTCF4をノックダウンすると、細胞融合が抑制されることを見出した。
3)B9Lノックアウトウスの胎盤において、syncytin-Bの発現が抑制されており、さらに電顕観察の結果、絨毛の栄養芽細胞の融合および分化が阻害されていることを見出した。
以上の結果を総合すると、「Wnt/β-cateninシグナル→Gcm1→syncytin→細胞融合」という経路が浮かび上がる。これはWnt/β-cateninシグナルと細胞融合のリンクを世界に先駆けて示したことになる。したがって、Wnt/β-cateninシグナルが細胞融合の制御という新たな役割を介して、組織の修復・再生やがんの発生に関与することが示唆された。
本研究計画でこれまでに得られた知見は、学術論文として海外の著明学術誌に投稿中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Wnt/β-cateninシグナルが細胞融合シグナルを制御する新規シグナル伝達経路の同定2010

    • 著者名/発表者名
      松浦憲
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪府)
    • 年月日
      2010-09-22

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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