研究課題/領域番号 |
21590304
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
渡辺 琢夫 金沢大学, 医学系, 准教授 (40303268)
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研究分担者 |
山本 博 金沢大学, 医学系, 教授 (00115198)
棟居 聖一 金沢大学, 医学系, 助教 (10399040)
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キーワード | RAGE / protease / shedding |
研究概要 |
RAGE(receptor for advanced glycation endproducts)を介するシグナリングにおいて、RAGEのオリゴマー化およびγ-セクレターゼなどのプロテアーゼが果たす役割を明らかにすることを目的とし、研究実施計画に基づいて研究を遂行した結果、以下の成果を得た。 1.RAGEシグナリングにおけるγ-セクレターゼ阻害薬の効果 γ-セクレターゼ阻害剤を培養液中に添加し、RAGE-リガンド結合依存性のNF-κB活性化を検討したところ、一定の抑制効果が見られた。しかしながら、RAGE切断については、γ-セクレターゼ阻害剤による明らかな抑制は確認されず、γ-セクレターゼ阻害剤によるシグナリング抑制効果は、γ-セクレターゼ活性の直接的な阻害以外の機序による可能性が示唆された。 2.RAGEシグナリングにおけるcyclic AMP依存性シグナル伝達経路の関与 a.マウス腹腔マクロファージにRAGEリガンドを作用させたところ、RAGE-リガンド結合による細胞応答であるMCP-1の分泌亢進が見られた。この分泌亢進はアデニル酸シクラーゼの賦活薬であるフォルスコリンによって抑制された。 b.ヒト白血病細胞株THP-1にRAGEリガンドを作用させたところ、マウス腹腔マクロファージと同様にMCP-1の分泌亢進が見られ、この分泌亢進はフォルスコリンの添加によって抑制された。さらに、フォルスコリンの添加により、RAGEの発現量の減少も認められた。 これらの結果から、cAMPを介する経路がRAGEの発現制御、および、シグナル伝達に関与していることが示唆された。
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