研究概要 |
(1)精製タンパク質を用いたpol IIユビキチン(Ub)化反応の試験管内再構成 Elongin A複合体によるRNA polymerase II (pol II)のポリUb化反応をCullinのNEDD8化が調節している可能性を明らかにするため、Cu15のNEDD8化に必要なAPPBP1/Uba3、UBE2FならびにNEDD8の遺伝子組換え型タンパクを発現精製した。 (2)ストレス応答遺伝子発現におけるElongin Aの伸長、E3各機能の役割の解析 HSP70、ATF3等のストレス応答遺伝子の発現にElongin Aが必須であることを見出した。特にATF3発現誘導の回復に関しては、Elongin Aをノックダウンしたヒト細胞への野生型rat Elongin A再導入によるレスキューを確認し、さらに同定した〔伸長活性+,E3活性-〕型のElongin Aでもレスキュー可能であることを見出した。以上から、Elongin Aの伸長活性とE3活性はin vivoにおいても明確に区別され、ストレス応答遺伝子発現にはElongin Aの伸長活性が必須であることが示唆された。 (3)Elongin A自己ユビキチン(Ub)化の生物学的意義の解析 メチル化Ubや変異型Ubを用いた試験管内Ub化アッセイの結果、pol II及びElongin A内のUb化部位は1カ所であり、両標的分子共これまでに報告のない特殊なタイプのポリUb鎖による修飾を受けることが示唆された。さらに、自己Ub化されたElongin Aを含む複合体はpol IIに対するE3活性を失うことが判明した。
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