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2011 年度 実績報告書

STAT3複合体とキナーゼによる転写伸長制御機序の解明と応用

研究課題

研究課題/領域番号 21590317
研究機関大阪市立大学

研究代表者

中嶋 弘一  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00227787)

キーワードSTAT3 / 転写制御機序 / 転写伸長 / CTDキナーゼ / 超転写伸長複合体 / STAT3リン酸化修飾 / チロシンフォスファターゼ
研究概要

1)STAT3による転写伸長機序と転写伸長に関わるキナーゼ群の役割について。
STAT3依存的転写伸長が、CDK9を90%抑制条件においても何ら抑制されることがないため、いかなるキナーゼが主に働いているのかを決定することが重要である。CDK9の作用に相当する働きをするキナーゼを探索する中で、CDK12とCDK13の役割を検討した。またSuper elongation complex(SEC)はこれらキナーゼ群の基質となるとともにキナーゼをリクルートすることに関わる可能性があることから、SECに含まれるELL2,AFF4もそれぞれノックダウンしたHepG2細胞株を作成した。IL-1刺激下でのNFκB-依存的な標的遺伝子群の発現を対照として、IL-6刺激下でのSTAT3依存的遺伝子発現におけるそれぞれの分子の役割を検討した。標的遺伝子としては、いずれの経路によっても活性化されるsocs3とsaa1を用いた。NFκB依存的な転写伸長とCTD Ser2リン酸化には、CDK9,AFF4,ELL2が重要であったが、STAT3依存的なsocs3遺伝子発現では、CDK9,AFF4,ELL2の役割は限定的であったが、saa1発現においては、AFF4が重要であった。CDK12,CDK13ともsocs3遺伝子プロモーターと3'ORFにSTAT3依存的にリクルートされることを確認したが、これらキナーゼや調節サブユニットであるCyclin Kのノックダウンも遺伝子発現の低下を招かないことから、なお未知のキナーゼの関わりが考えられた。SEC複合体が探索のヒントを与えると期待している。
2)STAT3 Ser727リン酸化の役割を追求した。このリン酸化はSTAT3活性の持続を短くすることに作用し、機序として何らかのSer727リン酸化依存的におこるSTAT3の修飾などを通じてTC45という核内で働くチロシンフォスファターゼの作用を増強することでTyr705の脱リン酸化を促進することを明らかにした。従って、Ser727リン酸化は、転写活性の増強作用に加えて、活性の持続を短くする作用が明らかとなった。
3)STAT3の作用機序について検討しうる系として、ヒト線維芽細胞を用いた解析を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The STAT3-IGFBP5 axis is critical for IL-6/gp130-induced premature senescence in human fibroblasts2012

    • 著者名/発表者名
      Hirotada Kojima, Hiroyuki Kunimoto, Toshiaki Inoue and Koichi Nakajima
    • 雑誌名

      Cell Cycle

      巻: 11 ページ: 730-739

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phospho-Ser727 of STAT3 regulates STAT3 activity by enhancing dephosphorylation of phospho-Tyr705 largely through TC452012

    • 著者名/発表者名
      Ryohei Wakahara
    • 雑誌名

      Genes to Cellss

      巻: 17 ページ: 132-145

    • DOI

      10.1111/j.1365-2443.2011.01575.x

    • 査読あり
  • [学会発表] STAT3 S727のリン酸化はTC45を介してY705チロシン脱リン酸化を制御する2011

    • 著者名/発表者名
      若原良平
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会総会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2011-11-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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