研究課題/領域番号 |
21590320
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
土田 邦博 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (30281091)
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研究分担者 |
中谷 直史 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (00421264)
常陸 圭介 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (10508469)
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キーワード | マイオスタチン / 骨格筋 / 脂肪組織 / 臓器間クロストーク / miRNA |
研究概要 |
骨格筋由来のサイトカインであるマイオスタチンは筋量制御と共に他臓器、特に脂肪組織や脂肪沈着を起こす肝臓と相互作用する。本研究では、骨格筋と脂肪組織や肝臓とのクロストークを多角的な視点から解析した。マイオスタチン遺伝子破壊マウスや独自に作出したマイオスタチン阻害マウスで観察される筋肥大は、生下時には見られず、生後に急速に筋量が増加する。骨格筋においてマイオスタチンシグナルが遮断され細胞内に伝搬されないことが主体であり、脂肪組織への影響と脂肪量の減少、ミトコンドリアの増加、高脂肪食負荷での脂肪肝抑制効果は副次的な効果として生じる事が分かった。骨格筋のタンパク質変化としては、特にグリコーゲンホスホリラーゼやピルビン酸キナーゼ等の量的及び質的変化が生じる事が、プロテオーム解析から明らかになった。マイオスタチン阻害による筋量増加の分子機構については不明点が多い。その一つのメカニズムとして、小分子RNAの発現制御があることを突き止めた。マイオスタチン阻害で骨格筋特異的なmyoRNA(206,486等)やこれまで筋での作用が不明であった複数の小分子RNAに発現変動が見られる事を見出した。そして、マイオスタチン阻害で、IGFシグナルの下流で活性化されることが知られている、Akt系シグナルやS6キナーゼ系の活性化が生じる事、その要因の一つとして、上記の小分子RNAを介する経路が関与する事が解析された。
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