研究課題
本研究課題では、微小低酸素環境が引き起こす血管再構築における血管内皮細胞(EC)の役割を明確化するために、ECのHIFシグナルによるその機能的・形態的変化がどのように血管再構築の主要変化である血管平滑筋(SMC)の増殖・遊走を引き起こすのか、その分子機構の解明を目指してい。具体的には、ECおよびSMCの各細胞系譜特異的HIF-1遺伝子欠失マウスにおける肺高血圧症モデルあるいは大腿動脈結紮虚血モデルによる血管再構築を主な研究対象とする。確立したマウスを用いて血管再構築モデルを作製することにより、生体内でECあるいはSMCに発現するHIF分子がどのように血管再構築過程に関与するのかを形態的観点より理解する、以上の結果をもとに、ECのHIFシグナル関連分子による血管再構築の人為的制御システムを構築し、ECを標的とした血管再構築の伴う疾患の新たな治療方針を提案する。本研究課題遂行期間に、我々はEC特異的なHIF-1beta遺伝子欠失マウスを作製し、モノクロタリン誘導性肺高血圧症モデルおよびその評価系の確立を行った。そして、肺高血圧症の病態は、ECに発現するHIF-1betaが、内皮由来血管収縮因子の一つであるendotheline-1の発現を介して、形成されることが分かった。本変異マウスの肺高血圧症モデルでは、右心系負荷を示す右心室重量/左心室重量比率は減少し、組織学的解析による小肺動脈の血管周囲の筋層化も軽減されていた。これうを踏まえ、細胞内での分子レベルの変化について解析するために、肺動脈血管内皮細胞の単離技術の確立を試みた。精製度80%程度のECの単雌が可能になった。
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