研究概要 |
「ミトコンドリア外膜ポリソームとミトコンドリアヌクレオイドの翻訳は機能調節されて、ミトコンドリア内外で量的、質的に適切な翻訳制御、タンパク重合を効率的に行うコミュニケーションが存在する。さらにこのシステムはヌクレオイドでのmtDNAの複製(コピー数)、転写とも協調して働く」上記仮説を立証するため以下の点について明らかにした。 「1」ミトコンドリア外膜ポリソームの構成因子とmRNAの網羅的解析RNA結合蛋白YB-1がミトコンドリア外膜ポリソームの構成因子であることを、HeLa細胞を用いて証明した。HeLa細胞には細胞質の翻訳系が存在するが、ミトコンドリアATP産生に必須のたんぱくの翻訳に関与していることを明らかにした。さらに、血清刺激により翻訳が亢進すること、YB-1のリン酸化が関与することを明らかにした。 「2」ミトコンドリア ヌクレオイドの構成因子の機能-siRNAを用いた機能解析 ミトコンドリアDNA維持蛋白TFAMの研究からヌクレオイドを構成する因子を多数同定してきた。その中にはERAL1,p32,EF-Tu,LRP130などがある。現在RNAiを用いて上記4種類の遺伝子のノックアウトは確認してした。これらヌクレオイド構成因子のノックダウンにより、ミトコンドリアrRNA,mRNAのコピー数の変化をsyber greenを用いたreal time PCR法により定量した。2.翻訳の効率をS35 methionineを用いたin vivo labellingで比較検討した。これらの評価を統合的に比べ、各々の蛋白のミトコンドリアに関する機能を推測する準備ができた。
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