Tysndlはペルオキシソームに局在し、超長鎖脂肪酸のβ-酸化に関わる酵素群を切断するプロセッシングプロテーゼである。このTysndlの生体内での機能を解明するため、Tysndl欠損マウス及び、Tysndlを過剰発現するトランスジェニックマウスを作製し、表現型解析を行った.本年度はTysndl欠損マウスの肝臓を用いて超長鎖脂肪酸のβ-酸化活性を測定した。測定は、末端を標識した超長鎖脂肪酸である[1-14C]リグノセリン酸(C24)を加えた緩衝液と肝臓ホモジネートを用いてβ-酸化反応を行い、切断により遊離する水性代謝物をシンチレーションカウンターで測定し、1時間あたりに代謝されるリグノセリン酸の量を測定した。その結果、Tysndlの欠損により超長鎖脂肪酸のβ-酸化活性が低下する事が分かった。またTysndl欠損マウスおよび過剰発現マウスでの発現量の違いを発現アレイを用いて解析を行った.さらに、Tysndlの基質となる酵素の同定をさらに行い、これまでに証明した4つの酵素以外に新たに4つの酵素がTysndlによって切断されることを確認した。
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