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2011 年度 実績報告書

Tysnd1の機能解析とその病態発症ネットワーク

研究課題

研究課題/領域番号 21590344
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

岡崎 康司  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80280733)

キーワードTysnd1 / ペルオキシソーム / プロテアーゼ / 脂肪酸β-酸化 / 超長鎖脂肪酸 / プラスマローゲン / フィタン酸 / 雄性不妊
研究概要

昨年度までの研究により、Tysnd1の欠損は、超長鎖脂肪酸のβ-酸化活性が低下する事を証明した。また、Tysnd1欠損マウスは雄性不妊であり、精子形態の異常がみられた。その原因として精巣中のプラスマローゲンの一部の分子種の含有量の低下が見られ、このことが形態異常に少なからず影響があると思われた。さらに、Tysnd1の基質となる酵素の同定をさらに行い、これまでに証明した4つの酵素以外にもTysnd1によつて切断される酵素を同定した。
本年度は、ペルオキシソームのもう一つの重要な代謝経路である、フィタン酸の代謝機能の測定を行い、Tysnd1の欠損は、フィタン酸の代謝を著しく低下させる事を明らかにした。さらに、上記のような、超長鎖脂肪酸の代謝、プラスマローゲン合成、フィタン酸の代謝の3つのペルオキシソームの代謝機能がなぜTysndlの欠損によって起こったのかについての分子メカニズムについて解析を行った。ペルオキシソームで働くタンパク質は、ペルオキシソーム局在化シグナル(PTS)を持ち、PTSの認識によってペルオキシソームに運搬される。Tysnd1は、N末端にあるPTS2配列を切り取る事から、Tysnd1によるPTS2配列の切り取りは、ペルオキシソームタンパク質のペルオキシソームへの局在に関係があるのではないかと考えた。そこで、Tysnd1欠損マウスの肝臓を用いてTysnd1の基質である酵素群の細胞内局在を観察したところ、PTS2をもつペルオキシソームタンパク質はペルオキシソームに局在する割合が野生型に比べて低く、ペルオキシソーム以外にも局在していた。つまり、Tysnd1によるPTS2の切断はペルオキシソームタンパク質のペルオキシソームへの局在化に重要であり、Tysnd1の欠損によるペルオキシソームタンパク質の細胞内局在の異常が脂質代謝機能の低下につながる事を明らかにした。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (5件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] エキソーム配列解析を用いたミトコンドリア呼吸鎖複合体異常症(MRCD)の原因遺伝子の系統的探索2012

    • 著者名/発表者名
      岡崎康司
    • 学会等名
      東京工業大学・東京工業大学大学院GP「情報学と生命医学の発展的融合教育の新展開」シンポジウム
    • 発表場所
      東京都目黒区(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-23
  • [学会発表] ゲノム医学教育センターから発信するトランスレーショナルリサーチへの展開2012

    • 著者名/発表者名
      岡崎康司
    • 学会等名
      GDNSS「専門医育成と医師不足解消を目指して」公開フォーラム
    • 発表場所
      群馬県前橋市(招待講演)
    • 年月日
      2012-02-10
  • [学会発表] Tysnd1 deficiency interferes with mouse peroxisomal functions2011

    • 著者名/発表者名
      水野由美, 他
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      2011-12-16
  • [学会発表] 核にコードされた遺伝子異常によるミトコンドリア呼吸鎖複合体異常症(MRCD)の系統的探索2011

    • 著者名/発表者名
      岡崎康司
    • 学会等名
      第53回日本先天代謝異常学会総会
    • 発表場所
      千葉県千葉市(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-25
  • [学会発表] Tysnd1欠損細胞を用いたペルオキシソームタンパク質の細胞内局在解析2011

    • 著者名/発表者名
      水野由美, 他
    • 学会等名
      第9回RCGMフロンティアシンポジウム
    • 発表場所
      埼玉県日高市
    • 年月日
      2011-11-03
  • [図書] 実験医学;バイオテクノロジーの温故知新「DNAマイクロアレイーゲノムワイド解析の道を開いた技術革新」2012

    • 著者名/発表者名
      岡崎康司, 他
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      羊土社
  • [図書] 医学の歩み;骨粗鬆症の遺伝子ネットワーク2011

    • 著者名/発表者名
      岡崎康司, 他
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      医歯薬出版
  • [備考]

    • URL

      http://www.saitama-med.ac.jp/genome/Div05_FGSM/index.html

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公開日: 2013-06-26  

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