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2009 年度 実績報告書

ヒト腫瘍の原発巣及び転移巣におけるmtDNA変異の解析と転移との関連性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21590349
研究機関千葉県がんセンター(研究所)

研究代表者

越川 信子  千葉県がんセンター(研究所), 研究局, 研究員 (90260249)

キーワードmtDNA / 変異 / ヒト腫瘍 / 原発巣 / 転移巣
研究概要

我々は2008年に、マウス肺癌及び線維肉腫由来の転移能の異なる細胞株を用いて、ミトコンドリアDNA(mtDNA)にコードされるNADH dehydrogenase subunit 6(ND6)遺伝子に生じた呼吸鎖複合体I活性低下の原因となる病因性変異が転移能を亢進することを明らかにした。そこで今年度は、ヒト癌においても複合体I活性の低下を引き起こす可能性のあるND遺伝子変異と転移との間に何らかの関連があるか否かを、ヒト肺癌及び大腸癌の原発巣及び転移巣を用いて検討した。検体として肺癌(原発巣45例、脳転移巣36例)、大腸癌(原発巣22例、諸臓器転移巣11例)の凍結検体から調製したDNAを用いて、ND遺伝子のうち、ND1,ND2,ND3,ND4L ND6の塩基配列を決定し、非同義ミスセンス変異やナンセンス変異の出現頻度が原発巣と転移巣間で異なるか否かを比較した。その結果、これらND遺伝子に見られるアミノ酸変異の指標であるGrantham valueが50以上のミスセンス変異、ミトコンドリア病と何らかの関連が報告されている変異やナンセンス変異のトータルの出現頻度が、原発巣に比べ、転移巣で有意に高いことが判った。これらの結果から、呼吸鎖複合体I活性の低下を引き起こす可能性のあるND遺伝子の変異はヒト癌においても転移能に影響を及ぼす可能性があることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Reactive oxygen species-generating mitochondrial DNA mutation up-regulates hypoxia-inducible factor-lalpha gene transcription via phosphatidylinositol 3-kinase-Akt/protein kinase C/histone deacetylase pathway2009

    • 著者名/発表者名
      Koshikawa N, Hayashi J, Nakagawara A, Takenaga K
    • 雑誌名

      Joarnal of Biological Chemistry 284

      ページ: 33185-33194

    • 査読あり
  • [雑誌論文] MCL-1V, a novel mouse antiapoptotic MCL-1 variant, generated by RNA splicing at a non-canonical splicing pair2009

    • 著者名/発表者名
      Kojima S, Hyakutake A, Koshikawa N, Nakagawara A, Takenaga K
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Common. 391

      ページ: 492-497

    • 査読あり
  • [学会発表] 低酸素, ミトコンドリアとがんの転移2009

    • 著者名/発表者名
      竹永啓三(連携研究者)
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2009-10-03
  • [学会発表] ヒト肺がんおよび大腸がんの原発巣と転移巣におけるmtDNA変異頻度の比較2009

    • 著者名/発表者名
      越川信子
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2009-10-03
  • [備考]

    • URL

      http://www.chiba-cc.jp/inst/jp/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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