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2010 年度 実績報告書

がん細胞におけるPlk1を介したシグナル伝達異常の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590352
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

後藤 英仁  愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 室長 (20393126)

キーワードPlk1 / 14-3-3ガンマ / Chk1 / Cdc25A / DNA障害チェックポイント
研究概要

Plk1は、分裂期に活性化する蛋白質リン酸化酵素(キナーゼ)の一種であり、分裂期開始に必須なCdk1の活性化などに重要な役割を担っていることが知られている。近年、DNA障害チェックポイントの際にはPlk1の機能が抑えられているが、逆にチェックポイントからの離脱の際にはPlk1の再活性化が重要な役割を担っていることが知られている。しかし、Plk1、Cdk1を含めた分裂期キナーゼ群とChk1を含めたチェックポイントキナーゼ群の詳細な連関はまだ不明な点が多い。我々は、本年度、Plk1の結合蛋白質として、新たに14-3-3ガンマを同定した。14-3-3蛋白質はDNA障害チェックポイントの際にも重要なメディエイターとして機能することが報告されているため、14-3-3ガンマのDNA障害チェックポイントにおける機能を検索した。その結果、14-3-3ガンマが、DNA障害チェックポイントの際に、Chk1のセリン296の自己リン酸化反応依存的にChk1と結合することが判明した。この結合により、Chk1と(14-3-3ガンマのもう一つの結合パートナーである)Cdc25Aが、14-3-3ガンマを介して結合することが判明した。この3者複合体の形成によりChk1はCdc25Aの分解に必要なセリン76をリン酸化できるようになること、および、このリン酸化反応によってCdc25Aが分解に導かれ細胞周期停止を引き起こしていることを見出した。以上の結果は、14-3-3ガンマが、DNA障害チェックポイントにおけるChk1からCdc25Aに至るシグナルを制御していることを示している(EMBO. J. , 2010)。今後、この14-3-3ガンマが分裂期またはチェックポイントからの離脱時にPlk1と結合し、その機能をどのように制御しているかについて、解析を加えていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Nuclear Chk1 prevents premature mitotic entry2011

    • 著者名/発表者名
      Matsuyama M., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Trichoplein controls microtubule anchoring at the centrosome by binding to Odf2 and ninein2011

    • 著者名/発表者名
      Ibi, M., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: 124 ページ: 857-864

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 14-3-3γ mediates Cdc25A proteolysis to block premature mitotic entry after DNA damage2010

    • 著者名/発表者名
      Kasahara K., et al.
    • 雑誌名

      The EMBO Journal

      巻: 29 ページ: 2802-2812

    • 査読あり
  • [図書] 細胞周期フロンティア(佐方功幸、稲垣昌樹、岸本健雄編)2010

    • 著者名/発表者名
      後藤英仁, 他
    • 総ページ数
      51-57
    • 出版者
      共立出版

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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