本研究は、様々なエンドトキシンに対するTLR4の感受性の霊長類による違いを明らかにすることにより、感染防御機構の霊長類の種類による違いを明らかにすることを目的とする。霊長類7種(ヒト、チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オラウータン、アガゲザル、カニクイザル)のTLR4アミノ酸配列より、TLR4の3D構造予測を行なった。細胞外ドメインのエンドトキシン認識に関わる領域に、正の自然選択の影響下にあるアミノ酸配列の違いが認められたが、3D構造予測では明らかな違いを検出することができなかった。また、TLRファミリー遺伝子およびMYD88、TICAM1、TICAM2などのTLR情報伝達に関わる遺伝子と歯周病、バージャー病、高安病との関連を検討し、バージャー病とMYD88遺伝子多型との関連を報告した。
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