研究概要 |
平成21年度は、当初に予定していた8つの遺伝子の繊毛機能の解析を行った。 ヒト繊毛病名 ゾウリムシに存在するホモログ遺伝子 Kartagener syndrome DNAH5, DNAH11, DNAi1 Orofaciodigital symdrome-1 OFD1 Hydrocephaly PF16 Charcot-Marie-Tooth disease Rab7 Myoclonic epilepsy Rib72 Miller-Dieker lissencephaly 14-3-3 protein (1) Kartagener syndromeに関連するDNAH5, H11, i1のサイレンシングは、いずれも外腕ダイニンの欠如を引き起こし、繊毛運動能力が著しく低下した。また、膜チャンネルに異常はないが、脱分極刺激に対して、過反応を示すことがわかった。 (2) PF16のサイレンシングは、中心装置の形成不良が起こり、繊毛運動の低下だけでなく、カルシウム性結晶の沈着が起こり致死となる事がわかった。 (3) Rab7のサイレンシングは、繊毛運動の異常とともに、細胞分裂阻害が起こり、速やかに死滅する事がわかった。 (4) しかし、OFD1, Rib72, 14-3-3 proteinに関しては、表現形質に差異は現れなかった。 顕著な繊毛機能阻害を引き起こす遺伝子については、ヒト正常遺伝子をもちいたレスキュー実験とGFP融合タンパク質を用いた局在性の確認を平成22年度に行う予定である。
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