研究課題/領域番号 |
21590358
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
堀 学 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00253138)
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研究分担者 |
冨永 貴志 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (20344046)
野口 宗憲 富由大学, 大学院・理工研究科, 教授 (30019004)
石田 正樹 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (80291053)
内藤 豊 徳島文理大学, 薬学部, 客員教授 (40091912)
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キーワード | 繊毛病 / ciliopathy / ダイニン |
研究概要 |
平成22年度は、当初計画していた以下の6種のホモログ遺伝子を順番にサイレンシングし、繊毛運動の解析を行った。 ヒト繊毛病名 ゾウリムシに存在するホモログ遺伝子 Hydrocephaly PF16(平成21年度からの継続) orofacialdigital OFD1(平成21年度からの継続) Polycystic kydney disease PKD1 Jeune asphyxiating thoracic dystrophy IFT80 Nephronophthisis NPHP3,4 (1)PF16に関しては平成21年度から継続して解析しているが、中心装置の形成不良による繊毛運動の低下、及び、カルシウム性結晶の沈着による致死が観察される。カルシウム性結晶の沈着は、サイレンシング後48時間で起こり始め、やがて細胞全体に沈着する結果、致死に至ることがわかったが、何故、そのような結晶が沈着するのかは、未だ解明できていない。しかし、このような現象が脳組織で起こっていれば、水頭症の原因になるのではないかと考えられる。 (2)OFD1に関して、平成21年度から継続して解析したが、ゾウリムシのOFD1オルソログのノックダウンでは、表現形質に差異が生じるような影響を与えないという結論に達した。 (3)PKD1、IFT80のサイレンシングは、繊毛打頻度がわずかに低下し、遊泳速度もわずかに低下するということがわかった。しかし、その他の機能に関しては、顕著な差異を生じず、病態の発症には、他の遺伝子との複合的な作用によるものであることが予測される。 (4)ネフロンろう候補遺伝子であるNPHP3及び、NPHP4のサイレンシングを行うと、細胞の機械刺激感受性が高くなり、過分極を起こしやすくなることがわかった。そのため、腎臓では細胞分裂による伸長方向に異常が生じ、嚢胞がすすむものと推測される。現在、これらの遺伝子のサイレンシングによって引き起こされる過分極が、どのようにして起こっているのかを解析している。
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