本研究は、冠動脈プラークの進展・不安定化メカニズムに寄与する複数の因子として、(1)好中球が産生するMPO、(2)リンパ球のインターフェロン.γにより活性化されたマクロファージが産生するネオプテリン、(3)活性化好中球/マクロファージから産生・放出されるS100A8/A9複合体の相互連関について明らかにすることを目的としている。結果として、冠動脈硬化症患者におけるネオプテリン高発現は、動脈硬化巣の複雑性病変への進展・不安定化と関連していること、S100A8/A9複合体は急性心筋梗塞の病巣部位に集積するマクロファージや浸潤好中球に高度に発現していること、ヒト冠動脈の動脈硬化巣に集積したMPO陽性細胞数は、不安定プラークで有意に高値であることなどが明らかとなった。
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