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2009 年度 実績報告書

胃腸T、NK/T細胞リンパ腫の特徴とヘリコバクターピロリー感染との関係

研究課題

研究課題/領域番号 21590390
研究機関福岡大学

研究代表者

竹下 盛重  福岡大学, 医学部, 教授 (90171636)

研究分担者 中村 昌太郎  九州大学, 大学病院, 助教 (10243932)
キーワードgastric lymphoma / intestinal lymphoma / H pylori / East Asian CagA gene / East Asian VacA gene
研究概要

2009年末に20例の胃原発T細胞リンパ腫のまとめを行った。胃T細胞リンパ腫の特徴は、腸管症関連T細胞リンパ腫(EATL)とは異なる臨床像、細胞形質を有していることが分かった。EBV感染が認められず、東アジア型CagA遺伝子は10例中3例に認めるのみであった。現在、小腸のEATL24例の臨床病理的検討を行い、その臨床病理、遺伝子学的背景を明らかにした。日本のEATLは、欧米に認められるCoeliac病を基礎疾患としたEATLと全く異なる組織型、細胞形質を有することが確認できた。HLAの検討では、欧米例にみられるDQB1*02の異常はなく、CGH法での染色体の検討でも、Coeliac病、欧米EATLにみられる9q33-35の増幅がなく、8q2(c-Myc),Xp,Xqの領域の増幅が高率にみられた。また、EBVの感染が6例(25%)であることを確認した。
日本人の胃がんにおいては、東アジア型H.pylori CagA, VacA遺伝子が高率に出現し、その刺激がSrc homology 2 domain-containing tyrosine phosphatase, SHP2)の高発現を引き起こし、上皮細胞を増殖させ腫瘍につながる機序がある。
胃悪性B細胞リンパ腫に関しては、血清でのH.pylori菌の検討は多く行われているが、腫瘍組織においての解析はごくわずかである。まず、MALTリンパ腫、びまん性大細胞性リンパ腫に分けて、その腫瘍組織において、H.pyloriのCagA遺伝子、VacA遺伝子の同定を行い、その陽性率を確かめる。また、H.pylori菌,東アジア型CagAに対する単クロン性抗体(TMDU-mAb,a-EAS Ab)を用い、実際の腫瘍組織においてH.pylori菌の分布、またリン酸化SHP2が腫瘍細胞にどのような状態で出現するかを確認する。この機序に関して、胃がんの陽性例との比較を行い、2疾患でいかに異なるかを確認する。次に、胃及び腸原発T細胞リンパ腫の症例に関して、H.pylori菌がいかに関与するかを同様に行い、上述の機序が腫瘍細胞に働いているかを確認したい。特に腸T細胞リンパ腫の背景には、小腸炎がある可能性が有り、その1つの原因としてH.pylori菌が関与しているか否か確認を試みる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 腸管症関連T細胞リンパ腫のCGH法による検討2010

    • 著者名/発表者名
      福重智子, その他(竹下盛重、共著)
    • 雑誌名

      日本染色体遺伝子検査学会雑誌 28

      ページ: 64-68

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clinicopathological characteristics of primary gastric T cell lymphoma2009

    • 著者名/発表者名
      Kawamoto K, Nakamura S, et al(Takeshita M, corresponding author)
    • 雑誌名

      Histopathol 55

      ページ: 641-653

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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