• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

マクロファージと好中球におけるPentraxin 3の発現制御機構と病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 21590397
研究機関新潟大学

研究代表者

内藤 眞  新潟大学, 医歯学系, 教授 (30045786)

研究分担者 大橋 瑠子  新潟大学, 医歯学系, 助教 (20447600)
キーワード炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / マクロファージ / 好中球 / 特殊顆粒PTX3 / PTX3
研究概要

Pentraxin 3(以下PTX3)は臨床で汎用されている急性期蛋白のCRPとともにpentraxin familyに属する分子であり、マクロファージなど種々の細胞から産生され、炎症や免疫における役割が想定されている。本年度は潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis、以下UC)について抗PTX3抗体をはじめ種々の抗体を用いて免疫組織学的に検討し、PTX3の発現細胞の同定を行い、UCの重症度とPTX3の関係を検討した。さらに、好中球におけるPTX3の動態について培養系における検討を行った。
生検組織を用い、UCの炎症の程度を3段階に分け、好中球、リンパ球、マクロファージの浸潤を免疫組織学的に同定して、PTX3の発現と比較した。PTX3は主に好中球に発現し、UCの炎症の程度に比例して好中球とPTX3陽性細胞が増加したことからPTX3はUCの重症度を反映することが示された。
共焦点レーザー顕微鏡による観察ではPTX3は好中球の特殊顆粒に局在した。interleukin 8を添加して好中球を培養するとPTX3陽性細胞が減少したことから、PTX3は好中球から放出されるものと考えられた。好中球は炎症刺激によってアポトーシスに陥るが、それ以外に崩壊した好中球から放出されたDNAによって網状構造物(neutrophil extracellular traps[以下NETs])が形成された。その構造物にはPTX3が結合していた。PTX3陰性の好中球は核が円形化し、特異な形態を示した。NETsはUC組織の陰窩膿瘍内にも観察され、生体内でも起こりうる現象と考えられた。
以上、本研究はUC病変に集積する好中球がPTX3を強く発現することを明らかにし、PTX3はUCの病態や好中球の運命に関わることを示唆した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of liver X receptor α and lipid metabolism in granulocyte-macrophage colony-stimulating factor-induced human monocyte-derived macrophage.2009

    • 著者名/発表者名
      Kazawa T, Kawasaki T, Sakamoto A, Imamura M, Ohshi R, Jiang S, Tanaka T, Iwanari H, Hamakubo T, Sakai J, Kodama T, Naito M
    • 雑誌名

      Pathol Int 59(3)

      ページ: 152-160

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression of the nerve growth factor-induced gene B-beta in the developing rat brain and retina.2009

    • 著者名/発表者名
      Li Y, Ohashi R, Naito M
    • 雑誌名

      Arch Histol Cytol 72(1)

      ページ: 23-34

    • 査読あり
  • [学会発表] 潰瘍性大腸炎におけるPentraxin 3 の発現。2009

    • 著者名/発表者名
      井上聡、姜淑英、長谷川剛、Alexander Savchenko、内藤眞
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都)
    • 年月日
      20090501-20090503

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi