研究課題
22年度は異常発現候補遺伝子として抽出されたmicroRNAの機能解析を実施した。1)マイクロアレイを用いた発現解析によって、33microRNAが発現上昇し、39microRNAが発現低下することを発見した。発現低下する者の中でmiR-375が最も顕著に発現低下するmicroRNAであった。2)miR-375が発現低下した胃癌細胞に遺伝子導入して、その発現を補うと癌細胞がアポトーシスをおこして死滅した。興味深いことにmiR-375を遺伝子導入した胃癌細胞では、PDK1の発現低下を認めさらに、Actのリン酸化が低下することを見いだした。3)次にmiR-375の分子標的を同定するためにmiR-375を遺伝子導入した胃癌細胞としなかった同じ胃癌細胞のトランスクリプトーム解析を行って、発現低下する遺伝子を絞り込み、かつmiR-375の標的配列をそのmRNAに持っている遺伝子をスクリーニングして、14-3-3-3zetaがその候補であることを突き止めた。4)実際に胃癌細胞で14-3-3zetaをsiRNAでノックダウンすると確かにcaspase活性の上昇を認めた。5)以上のことからmiR-375は胃癌の癌抑制遺伝子である可能性が示唆された。
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Journal of Pathology
巻: (印刷中)
Cancer Research
巻: 70 ページ: 2339-2349