研究課題
(1)患者検体からのがん幹細胞抗原特異的CTLの誘導がん幹細胞抗原OR7C1のCTLエピトープペプチドを用いて、大腸がん患者末梢血リンパ球を刺激し、OR7C1抗原特異的CTLを誘導した。さらにCTLクローンを樹立することに成功し、抗原特異性を細胞障害性試験によって解析した。がん幹細胞と非幹細胞とに共通して発現しているがん抗原(Universal抗原)CEP55に対する特異的CTLクローンを対照群として細胞障害活性を比較した結果、OR7C1特異的CTLクローンががん幹細胞をより効果的に障害することが確認された。(2)マウス移植腫瘍モデルを用いたがん幹細胞抗原特異的CTLの腫瘍抑制効果免疫不全マウスに大腸がん細胞株SW480由来のがん幹細胞を移植し、腫瘍の増殖速度を解析した。腫瘍サイズが約3mm径になってから、がん幹細胞抗原OR7C1特異的CTLクローンまたは対照群のUniversal抗原CEP55特異的CTLクローンをマウスに移植し、腫瘍増殖速度の違いについて解析を行った。その結果、CEP55特異的CTLよりも、OR7C1特異的CTLの方が有意に高い腫瘍抑制作用を示した。(3)マウス移植腫瘍モデルを用いたがん幹細胞抗原ワクチンの腫瘍予防効果Balb/cマウスにがん幹細胞抗原DNAJB8をコードするDNAを免疫。対照群はUniversal抗原SurvivinをコードするDNAを免疫した。4回免疫後、マウス腎がん細胞株RENCAを移植し、腫瘍径を計測した。その結果、SurvivinワクチンよりもDNAJB8ワクチンの方が有意に高い腫瘍抑制効果を示した。以上の結果から、がん幹細胞はCTLに対して感受性をもつこと、治療モデルと予防モデルの双方でがん幹細胞特異抗原に対する免疫応答は、Universal抗原に対する応答よりも高い腫瘍抑制作用を持つことが示された。
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