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2010 年度 実績報告書

膵腫瘍の癌化および浸潤様式:分子標的治療へのアプローチをめざして

研究課題

研究課題/領域番号 21590403
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

清水 道生  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60226256)

キーワード膵癌 / 浸潤様式 / 発育様式 / 腺房 / 膵管 / ランゲルハンス島 / 免疫三重染色
研究概要

膵癌の発生母地は小葉間膵管ないしは小葉内膵管と考えられており,腫瘍がある一定の大きさを超えた時点で間質への浸潤が始まると考えられている.今回膵癌(腺癌)症例について,癌の辺縁部でどのように正常膵へ浸潤していくのかを検討した.HE染色標本では,腫瘍辺縁部における浸潤様式は大きく,小葉内浸潤パターン,小葉間浸潤パターン,混合型浸潤パターンに分けられた.高分化型では混合型が多く,中分化型では半数が小葉内主体の浸潤様式を示し,低分化型はいずれも混合型を示した.さらに,CKI9, trypsin, chromogranin Aの免疫三重染色,またリンパ管侵襲に関してはD2-40の免疫染色を行い,正常膵の膵管,腺房細胞,ランゲルハンス島にどのように浸潤していくのか観察を行った.一見すると膵管癌の腺房細胞やランゲルハンス島細胞への分化を示すような像がみられたが,HE染色の所見と詳細に対比してみると,実際には既存の腺房細胞やランゲルハンス島の細胞に癌細胞が浸潤し,それらの組織を巻き込み,置換しつつある像であることが確認された.
また,癌の発育様式に関しては,腺癌細胞が高分化型であれ,低分化型であれ,いずれも膨張性発育というよりは浸潤性に増殖する傾向が強いと考えられた.症例によっては癌が浸潤していっても.既存の膵管,腺房,あるいはランゲルハンス島がある程度残存する症例や,ほぼ全置換性に浸潤する症例があり,どの成分が残存するかは症例によって開きがみられた.正常膵組織の残存率をみる限りでは,ランゲルハンス島の残存率が最も高く,腺房および膵管に関しては症例により異なる傾向がみられた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Pancreatic intraductal lesions with possible relationship with gastric type intraductal papillary mucinous neoplasm : pyloric gland-type intra-ductal tubular adenoma and intraductal oncocytic papillary neoplasm2010

    • 著者名/発表者名
      Ban S
    • 雑誌名

      Histopathology

      巻: 56 ページ: 968-969

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Invasive ductal carcinoma of the pancreas tail with noninevasive growth through the nondilated main pancreatic duct and macroscopically cystic invasive carcinomatous glands

    • 著者名/発表者名
      Ban S
    • 雑誌名

      Ann Diagn Pathol

      巻: Nov 23(Epub ahead of print)

    • 査読あり
  • [学会発表] Invasive and growth patterns of ductal carcinoma of the pancreas : early versus advanced stage2010

    • 著者名/発表者名
      Shimizu M
    • 学会等名
      The Pathologists's Meeting CAP (College of American Pathologists) 2010
    • 発表場所
      Chicago
    • 年月日
      2010-09-26
  • [学会発表] 免疫三重染色を用いた膵管癌の浸潤様式に関する検討2010

    • 著者名/発表者名
      清水道生
    • 学会等名
      第57回日本臨床検査医学会学術集会
    • 発表場所
      東京,京王プラザ
    • 年月日
      2010-09-11

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公開日: 2012-07-19  

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